2005 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞(ES細胞)の分化多能性維持機構におけるNanogの機能解析
Project/Area Number |
17790191
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 誠人 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (10379539)
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Keywords | ES細胞 / 転写因子 / Nanog / 未分化能維持機構 / 初期胚発生 |
Research Abstract |
Nanogの発現制御機構を解析する為にNanog遺伝子を含む20kbpのDNA断片を数kbpごとに区切ったものをminimum promoterを持つLuciferase遺伝子の下流に組み込んだレポーター遺伝子を作製した。これらを用いて胚性幹細胞(ES細胞)におけるNanogの発現制御領域を検討した結果、-4737/-4387(転写開始点を+1として)の領域を同定した。この領域の配列を検討したところES細胞の未分化能維持に重要な働きをする転写因子Sox2の結合配列と酷似した領域を見いだした。実際にSox2がNanogの-4737/-4387発現制御領域(DE領域)に結合するかをゲルシフトアッセイにより検討した結果、Sox2が結合することが明らかとなった。Sox2結合配列に変異を入れたプローブに対しては結合しないことも確認した。Nanogの発現制御にはプロモータ近傍の領域(PE領域)が重要なことが知られている。実際、このPE領域にSox2が結合することも明らかにした。さらに詳細な検討によりSox2はOct3/4(ES細胞の未分化能維持に重要な働きをする転写因子)と強調してこのPE領域に結合することが明らかとなった。Nanogの発現制御においてDE領域とPE領域のどちらが重要なのか検討した結果、両方の領域が重要な働きをしていることが明らかとなった。以上の結果からSox2とOct3/4が協調してNanogの発現制御を行っていることが明らかとなった。次に分化した細胞(mouse NIH3T3細胞)に強制的にSox2とOct3/4を発現させることでNanogの発現が認められるのかどうか検討したがNanogの発現は認められなかった。Nanogの発現にはSox2とOct3/4の他に制御因子があることが考えられた。
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Research Products
(4 results)