2005 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類神経幹細胞の分化制御における細胞極性タンパク質の役割
Project/Area Number |
17790194
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌倉 幸子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80398081)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
Par3-Par6-aPKC複合体は、進化的に保存された蛋白質複合体であり、細胞極性決定時に細胞膜の特定の領域に形成される。ハエ神経幹細胞の分化の際にも、apical側の細胞膜領域に局在することが極性決定に必須である。哺乳類の神経幹細胞でもこの複合体が発現しているが、その機能についてはあまり解明されていない。今年度は以下のようなParと相互作用する新規蛋白質を同定し解析した。(1)Par3結合蛋白質;酵母two-hybridスクリーニングを行い、Par3に結合する分子として14-3-3を単離した。14-3-3は両親媒性の溝を介し、Par3の進化的に保存されたセリンのリン酸化依存的に結合した。(2)Inscuteable(Insc);ハエ神経幹細胞ではPar-aPKC複合体のapical側の細胞膜の局在にInscというアダプター蛋白質が必須である。哺乳類ホモログについては報告が無かったことから、ハエInscの一次配列情報をもとにヒトInsc cDNAを単離した。ハエInscは細胞極性蛋白質であるPins及びPar3と結合する。ヒトInscはハエInscとのアミノ酸相同性が25%と低かったが、哺乳類Par3及びPinsと結合したことから機能的にもホモログであると考えられた。現在Par3の膜局在に果たす役割について解析を進めている。(3)Par6BP1;Par6に結合する分子としてWD40リピートを持つPar6BP1を同定した。Par6BP1のC末やN末を欠く変異体は上皮細胞のタイトジャンクション形成(極性形成)を強く阻害し、Par6BP1が極性形成に重要な機能を担うと考えられた。 今後はInsc-Par3、Par6BP1-Par6の相互作用について生化学的手法により結合領域を特定すると同時に、Par-aPKC複合体の神経幹細胞における機能の解明につなげたい。
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Research Products
(2 results)