2006 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類神経幹細胞の分化制御における細胞極性タンパク質の役割
Project/Area Number |
17790194
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌倉 幸子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80398081)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 脳・神経 / 発生・分化 |
Research Abstract |
Par3-Par6-aPKC複合体は、進化的に保存された蛋白質複合体であり、細胞極性決定時に細胞膜の特定の領域に形成される。ハエ神経幹細胞の分化の際にも、apical側の細胞膜領域に局在することが極性決定に必須である。哺乳類の神経幹細胞でもこの複合体が発現しているが、その機能についてはあまり解明されていない。今年度は以下のようなParと相互作用する新規蛋白質を同定し解析した。(1)Par3BMP1;酵母two-hybridスクリーニングにより、Par3結合蛋白質としてPar3BMP1(Par3-binding membrane protein 1)を単離した。Par3BMP1は一回膜貫通型蛋白質であり、PDZ結合モチーフを介しPar3と結合した。Par3BMP1の過剰発現は上皮細胞のPar3のTJへの局在及びTJ形成(細胞極性形成)を阻害することから、膜蛋白質Par3BMP1が細胞内のC末端領域でPar3と結合し、TJへとリクルートすることが細胞極性形成に重要であることが示唆された。(2)Inscuteable (Insc);ハエ神経幹細胞ではPar-aPKC複合体のaplcal側の細胞膜の局在にInSCというアダプター蛋白質が必須である。哺乳類ホモログについては報告が無かったことから、私達はハエInscの一次配列情報をもとにヒトInsc cDNAを単離した。ハエInscは細胞極性蛋白質であるPins及びPar3と結合する。ヒトInscはハエInscとのアミノ酸相同性が25%と低かったが、哺乳類Par3及びPinsと結合したことから機能的にもホモログであると考えられた(Izaki et al.,2006)。
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Research Products
(2 results)