2005 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞におけるHEXによる肝細胞への分化誘導と機能解析
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17790197
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
久保 篤史 奈良県立医科大学, 附属病院, 医員 (30316062)
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Keywords | ES細胞 / 肝細胞 / Hex |
Research Abstract |
1.tet-Hex ES細胞を用いた肝細胞分化条件 今回ES細胞において安定したHexの発現を行うために,Doxにより遺伝子発現を誘導しえるES細胞(Ainv18)(Kyba M. et al. cell 109 29-37,2002)を用いる。このES細胞は、安定した遺伝子発現を行うことが知られているROSA遺伝子座にrTA、ハウス・キーピング遺伝子であるHPRT遺伝子座にtetOがそれぞれ導入されたES細胞である。このtetOの下流にHex cDNAを導入することで、Doxの添加でHexを過剰発現するES細胞(tet-Hex ES細胞)(Kubo A.et al.105,4590-4597,2005)を使用した。 無血清培養条件下でアクチビンを2-6日まで添加することで内胚葉を誘導後に、Doxを添加してHexの過剰発現を誘導する。このDoxの添加濃度、時期、期間を検討し、14日後に細胞を回収してRNAを抽出する。逆転写後にreal time PCRを用いてアルブミン遺伝子発現量を定量し、どういったHexの発現方法が最も肝細胞誘導に効率的かを検討した。これにより、内胚葉誘導時期であるEB分化6-10日目にHexを発現した群で最も強いアルブミン遺伝子発現量を認めた。また、免疫組織学的検討により、Hex発現群で強いアルブミン染色を認めた。 2.機能解析 アルブミン、トランスフェリン分泌;これまでの報告では、ES細胞由来の肝細胞がRT-PCRによりアルブミン遺伝子を発現していること、Western blottingにより細胞内にアルブミン蛋白が存在することなどが示されている。しかし、機能的にアルブミンを分泌しているという報告はない。そこで今回、細胞上清をELISAにより測定することでその分泌能を検討した。これにより、Doxを6-10日に添加した群で有意に高いアルブミンを分泌を認めた。
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