2006 Fiscal Year Annual Research Report
GCKファミリーキナーゼ(MAPKKKキナーゼ)による細胞接着制御機構の解明
Project/Area Number |
17790215
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
海川 正人 琉球大学, 大学院医学研究科, 助教授 (00325838)
|
Keywords | Rap2 / TNIK / 細胞間接着 |
Research Abstract |
ras癌遺伝子産物(Ras)の類縁分子低分子量G蛋白質Rap2に特異的標的蛋白質として3つのプロテインキナーゼ(HGK、TNIK、MINK)を単離・同定している。本研究ではTNIKの結合蛋白質および、リン酸化標的蛋白質の検索を行ない、TNIKの細胞接着装置に対する作用の解析を行った。 これまでに、TNIKのGST融合蛋白質を固相化したアフィニティーカラムを用いてラット脳の膜抽出蛋白質画分からTNIK結合蛋白質を複数精製している。それらTNIK結合蛋白質のうちDrosophila rolling pebbles (rols)のラットホモログであるp190に着目し、TNIKとの関連を解析した。精製したp190の特異的抗体を用いて培養ケラチノサイト細胞におけるp190の局在を解析したところ、TNIKと同様に細胞間接着部位に集積している事が明らかになった。次いで、p190の遺伝子をクローニングして培養細胞に発現させたところ、導入したp190はTNIKと共に発現させるとリン酸化が亢進し、細胞間接着部位から細胞質分画に局在が変化することが明らかになった(投稿準備中)。また、組み換えレトロウイルスを用いて、TNIKの発現をテトラサイクリンにより誘導できるマウスの上皮系細胞株を樹立し細胞機能の解析を行った。TNIKの発現を誘導すると、細胞間接着が破壊され、コロニーが形成されなくなり、個々の細胞に葉状突起の形成がみられた。キナーゼ部位に変異を持つTNIKの発現を誘導した細胞では細胞間接着には変化はみられなかった。以上の事より、TNIKは細胞間接着の維持、解離といった細胞間接着の制御に関与しており、p190はTNIKによる制御を受け、それらの機能に関係している可能性が示唆された。
|