2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790223
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
後藤 英仁 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 主任研究員 (20393126)
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Keywords | 分裂期 / リン酸化酵素(キナーゼ) / がん |
Research Abstract |
Aurora-B、Plk1(Polo-like kinase1)などの分裂期キナーゼ群は、癌細胞において活性が上昇することが報告されているが、どのように発癌過程に関与しているかについては不明な点が多い。本年度の研究で、以下の2点を明らかにした。 1)Cdk1(Cyclin-dependent kinase1,Cdc2)によるINCENPのリン酸化反応の生理的意義 Aurora-Bの結合パートナーであるINCENPがCdk1によってリン酸化されること、および、Plk1がCdk1によるリン酸化反応依存性にINCENPと結合することを明らかにした。このPlk1とINCENPの結合は、分裂前中期から中期におけるPlk1の動原体局在に必須であることのみならず、分裂中期から後期への進行に重要な役割を担っていることを明らかにした。 2)Cdk1リン酸化ビメンチンを介した、Plk1の機能制御 以前に、Cdk1によってビメンチンがリン酸化されることは報告されていたが、その生理的意義は不明であった。今回、Cdk1によってビメンチンにPlk1が結合すること、この結合したPlk1は、さらに、ビメンチンをリン酸化することを明らかにした。このPlk1のビメンチンリン酸化反応は、Aurora-B、Rho-キナーゼによるものと協調しながら、中間径フィラメントの均等分配を制御していることが判明した。 上記2つの研究成果は、Cdk1の基質のリン酸化反応を通じてPlk1の機能が制御されていることを示すものであり、癌における染色体不安定性のメカニズムを解明するうえで有用な知見といえる。
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Research Products
(5 results)