2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17790224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川嶋 実苗 東京大学, 大学院医学系研究科, 寄付講座教員(助手相当) (00396706)
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Keywords | ネルコレプシー / 睡眠障害 / 疾患関連遺伝子 / 一塩基多型 / 関連解析 / マイクロサテライトマーカー |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒトナルコレプシーをはじめとする睡眠障害の新たな感受性・抵抗性遺伝子を見出すことである。昨年度までに約2万3000個のマイクロサテライトマーカーを用いたゲノムワイドな関連解析(1次・2次スクリーニング)を行ない、いくつかの候補マーカーを見出している。本年度はその候補マーカーの内、ヒトナルコレプシーの既知感受性遺伝子であるヒト白血球抗原(HLA)領域(6p21.3)近傍上流に存在するマーカー(MS1)周辺の解析を進めた。 まず、pooled DNAを用いた1次,2次スクリーニングによって検出された関連の確認を患者群231名、対照群420名分のゲノムDNAを用いた個別資料タイピングにより行なった。フィッシャーの直接検定法による各アリルに対する2x2分割表を用いた統計解析を行なった結果、MS1の13アリルのうち3アリルが有意差に至り、ナルコレプシーとMS1との関連が示唆された。ほとんどの日本人ナルコレプシー患者はHLA-DRB1*1501アリルを所有することから、HLA-DRB1*1501をヘテロ接合で所有する対照群112名と、先程とは別の患者群170名を用いた関連解析も行なった。その結果、対象検体数が減少したことで検出力は低下したものの、1アリルにおいて依然として有意差に至り、疾患との関連が確認できた。 次に、HapMapプロジェクトデータベースに登録されている日本人44人分のSNPs結果を用いてMS1周辺の連鎖不平衡(LD)ブロックを確認し、MS1を含むLDブロック及び両隣のブロック内のTag SNPsを用いた解析を行なった(患者群190名、対照群190名)。その結果、33SNPsが有意差に至り、その中の19SNPsは、HLA-DRB1*1501ヘテロ接合体を用いた解析においても有意差に至った(患者群143名、対照群103名)。これら19SNPsについて最大尤度推定値分析を行なったところ、SNP5とSNP15を持つときに最大尤度を示した(P<0.05)。
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Research Products
(2 results)