2005 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺各領域における腺上皮細胞特異的モノクローナル抗体の作成
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17790228
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
稲留 征典 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50375490)
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Keywords | 前立腺 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
凍結保存したヒト前立腺組織から、マイクロダイセクション法を用いて辺縁領域の腺上皮細胞を切り出し、タンパク質の抽出を行った。このタンパク質を免疫原としてマウスに免疫し、辺縁領域腺上皮細胞特異的モノクローナル抗体の作成を行った。 これまでに5回の抗体作成を行い、計953コロニー(1回当たり平均190コロニー)が得られ、うち811クローンについてスクリーニングを行った。スクリーニングはホルマリン固定前立腺組織切片を使用した免疫染色法により、顕微鏡下で判定を行った。スクリーニングによって、何らかの陽性所見が得られたのは全体の71.8%(582クローン)であり、残りのクローンについては陽性所見が得られなかった。陽性所見の得られた582クローンの多くは、上皮と間質の両方に陽性となった。その他に上皮細胞あるいは平滑筋組織にのみ陽性となるクローンも得られた。スクリーニングを行った811個のクローン中には、辺縁領域の腺上皮細胞に特異的に陽性となるクローンは見つからなかったが、腺上皮細胞に特異的ではないものの、辺縁領域に優位に陽性となる興味深いクローンが5クローン得られ、これらのクローンについて凍結保存を行った。 今後は凍結保存してあるハイブリドーマを大量培養し、培養上清の濃縮・精製を行い、ハイブリドーマの産生する抗体の免疫グロブリンのアイソタイプを同定したのち、免疫沈降、SDS-PAGE法、ウエスタンブロッティング法、質量分析法を用いて抗体の認識する抗原タンパク質の同定を行う予定である。
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