2006 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌におけるDNA高頻度メチル化群の特微抽出と治療への応用
Project/Area Number |
17790229
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇於崎 宏 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10296246)
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Keywords | 胃癌 / EBウィルス / DNAメチル化 / 培養細胞 |
Research Abstract |
胃癌における、DNAメチル化の意義、DNAメチル化高頻度群(CIMP群)の臨床病理学的な特徴を明らかにし、他の分類との比較および整理を行う。最終的には治療に応用することを目的とする。 15例のEBV関連胃癌を含む106例を検索した。Toyotaらが抽出した胃癌でメチル化が亢進しているマーカー遺伝子5つ(LOX, HRASLS, HAND, FLNc, TM)にくわえ、10個の癌関連遺伝子(p14,p15,p16,p73,TIMP3,E-cad, DAPK, GSTP, hMLH1,MGMT)のプロモータ域のメチル化状態をMSP法にて検索した。マーカー遺伝子の4-5個がメチル化状態を示したものをCIMP-H群、1-3個がCIMP-M群、0個をCIMP-N群とした。EBV関連胃癌15例中14例がCIMP-H群であった。またEBV関連胃癌の10個の遺伝子のメチル化状態はEBV陰性CIMP-H群よりも亢進しており、EBVのDNAメチル化への強い関与が示唆された。またCIMP-H, CIMP-I群ではCIMP-N群に比べ、予後が良好であり、DNAメチル化状態は生物学的悪性度と負の関連が有ることが分かった。 胃癌細胞株6種(TMK1,MKN1,MKN7,MKN74,NUGC3,AGS)のCIMP形質で分類し、高メチル化群(AGS, MKN74)と低メチル化群(TMK1,MKN1,7)に分けた。DNA脱メチル化剤5-AzaC、抗癌剤5FUの抗腫瘍効果とメチル化状態の関連について、増殖率を指標に解析を進めている。 Affymetrix社のGenechipを利用して、ゲノム全体にわたるプロモータ域のDNAメチル化状態を検索するために東京大学先端研・油谷教授の元で条件検討を進めた。抗5mC抗体によるDNA免疫沈降とその後の増幅ステップについて、検討を加えて、安定した結果が得られるよう試みている。すでに解析が進んでいる肝癌細胞株HepG2について抗体3種を用いてGenechipでの解析結果とMSPおよびbisulfite sequenceでの解析結果を比較した結果、抗体1つでは整合性が高い結果が得られている。
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