2005 Fiscal Year Annual Research Report
特発性線維硬化性疾患における線維化の分子病態の解析と病理組織学的検討
Project/Area Number |
17790243
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大城 久 横浜市立大学, 附属病院, 助手 (60381513)
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Keywords | 特発性線維硬化性疾患 / 特発性後腹膜線維症 / 免疫グロブリン重鎖遺伝子再構成 / T細胞受容体β鎖遺伝子 / BCL-10 / Epstein-Barr virus / lymphoid dyscrasia |
Research Abstract |
特発性線維硬化性疾患の病因を解明するため,最低4年間の経過観察もしくは剖検による全身検索が可能であった6症例を研究対象に選んだ. 6症例から得られた8個の標本が病理学組織学的検索,免疫組織化学的検索,Epstein-Barr virus-encoded small RNAのii-situ hybridization(EBER-ISH),PCRによる免疫グロブリン重鎖遺伝子再構成(IgH)とT細胞受容体β鎖遣伝子再構成(TCR-β)の検索に使用された. 6症例の全てが後腹膜線維症を有しており,3症例は後腹膜以外にも線維硬化性病変を有していた.6症例いずれも全身症状を呈し,異常蛋白血症は5症例に,リンパ節症は4症例にみられた.4症例でガリウムシンチグラフィーが行われ,そのうち2症例で病変部に集積像が認められた.2症例で自己抗体が陽性であったが,明白な膠原病としての臨床病理学的証拠は認めなかった.いずれの症例にも甲状腺炎や動脈瘤,高度の粥状硬化症は見られなかった.1症例のみ後腹膜線維症の診断後,49ヶ月後にB細胞リンパ腫を発症した. 病理組織学的検索では,8個いずれの標本も密な線維性結合組織の増生とともに,polymorphousな炎症細胞浸潤が種々の程度に認められた.免疫組織化学的検索では悪性リンパ腫の所見はなかったが,5個の標本でbcl-10の核内発現を呈する小型リンパ球が少数認められた.EBER-ISHの結果は全て陰性であった.IgHは全ての標本でクローナリティを示したが,TCR-βはいずれの標本もクローナリティを示さなかった. 以上,全例で免疫血液学的異常性が確認され,かつ病巣の線維化とIgHのクローナリティとが同時に見られたことから,特発性線維硬化性疾患の病因にB細胞クローンの拡大が深く関わっており,本疾患がlymphoid dyscrasiaの範疇の一部に属する可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)