2005 Fiscal Year Annual Research Report
膵がんのリンパ管侵襲・リンパ節転移の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
17790248
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
深澤 由里 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 病理部, 研究員 (90392331)
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Keywords | 病理学 / 癌 |
Research Abstract |
1.リンパ管内皮細胞に特異的に発現を認めるLYVE-1に対するポリクローナル抗体の作成:マウスLYVE-1の細胞外ドメインとヒトIgGFcドメインから成る融合タンパク質を哺乳動物細胞に発現・分泌させ、その培養上清中より融合タンパク質を回収後、アフィニティー精製した。精製タンパク質を免疫源として、ウサギ2匹に免疫した。血清抗体価上昇を確認後、ウサギ血清を回収し、アフィニティー精製して、精製ポリクローナル抗体を得た。マウスの凍結薄切標本及びホルマリン固定パラフィン包埋薄切標本を用いた免疫組織化学を行い、得られた精製抗体がマウスのリンパ管内皮細胞に対して特異的に反応する事を確認した。また精製抗体はウエスタンブロット法及び免疫沈降にも利用可能である事を確認した。 2.ヒト膵がん細胞株の異種移植リンパ節転移モデルの確立と高頻度及び低頻度リンパ節転移ヒト膵がん細胞株の選定:13種の培養ヒト膵がん細胞を免疫不全マウス片側足肉隆起部に異種移植し(各5匹ずつ)、同側の所属リンパ節(膝窩及び鼠径リンパ節)への転移能について検討した。移植後4週後より2-3週毎に各一匹ずつ安楽死させ解剖を施行し、肉眼的及び組織学的に所属リンパ節への転移及び他臓器転移について観察した。この移植モデルは他臓器への転移を殆ど認めず、高頻度に所属リンパ節への転移を来す事が確認された。その中で複数匹所属リンパ節への転移を認めた高頻度リンパ節転移候補細胞株4種と全く所属リンパ節転移を認めなかった低頻度リンパ節転移候補細胞株3種の計7種において、再び同様の異種移植を施行した。移植後10週目、14週目に各4匹ずつ解剖を施行し、肉眼的及び組織学的に所属リンパ節転移の有無を確認した。以上の異種移植リンパ節転移モデルから、高頻度リンパ節転移ヒト膵がん細胞株2種、低頻度リンパ節転移ヒト膵がん細胞株2種を選出した。
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