2005 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的損傷修複遺伝子MYHの消化管癌への関与についての研究
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17790258
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
陶 弘 浜松医科大学, 医学部, COE研究員 (90397399)
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Keywords | MutYH / 大腸癌 / 塩基除去修復 / 酸化ストレス / 消化管癌 / 分子疫学 / 遺伝子多型 / PXR |
Research Abstract |
遺伝子の酸化的損傷修復に関わる塩基除去遺伝子の一つMutYHの変異の、日本人消化管癌特に大腸癌リスクとの関係を調べるために、九州の症例対照DNAを用いて四つの変異をターゲットとしてgenotypingを行った。その結果、IVS1+11C>Tの変異において有意な差が見られた。この変異のMutYHのメッセンジャーRNAレベルでの影響を見るために、pathology archivesからゲノムDNAを抽出し、スクリーニングし、250あまりの症例から一つのホモ変異体を見つけ、さらに、該当sampleからRNAを抽出し、cDNAを作った。IVS1+11C>Tの前後のエクソンにおいてプライマーセットを設計し、RT-PCRを行ったが、変異型特異的バンドを見られなかった。次に、このSNPがMutYHのbeta-typeの転写開始点の上流に位置するので、その転写に影響があるかどうかを調べるために、転写開始点上流700bp範囲の配列をreporter vectorに入れた。その配列を確認するときに、その領域にもうひとつのSNPが見いだした。そのSNPはさらに上流に位置し、興味深いことに、この二つのSNPはリンクしていることがnested allele-specific PCRで確認できた。転写因子結合領域を調べた結果、新たに見つけたSNPの変異型配列では核内受容体であるPXR/RXRと結合し転写を促進することが予想された。Reporter assayでの確認をしているところである。これからもこの二つのSNPのMutYHに対する機能影響の解析をする方針である。今回の結果も、MutYHの変異での人種差があることを示している、このSNPの最初の報告は日本人によってなされている、また、30数個のcell lineで調べた結果でも、唯一ヘテロ接合体を示したcell lineは日本人由来であった。以上のデーターから、この二つのSNPはMutYHの転写に影響を与え、日本人において大腸癌と関連することを示唆するもので、さらなる機能解析が必要であると考えられた。
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[Journal Article] Downregulation of EphA7 by hypermethylation in colorectal cancer2005
Author(s)
Wang J, Kataoka H, Suzuki M, Sato N, Nakamura R, Tao H, Maruyama K, Isogaki J, Kanaoka S, Ihara M, Tanaka M, Kanamori M, Nakamura T, Shinmura K, Sugimura H.
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Journal Title
Oncogene Volume 24 Number 36
Pages: 5637-5647
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