2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的損傷修複遺伝子MYHの消化管癌への関与についての研究
Project/Area Number |
17790258
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
陶 弘 浜松医科大学, 医学部・COE健康員 (90397399)
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Keywords | MYH / 大腸癌 / 塩基除去修復 / 酸化ストレス / 消火器癌 / 分子疫学 / 遺伝子多型 / PXR |
Research Abstract |
我々が去年見っけたMYH遺伝子の転写開始点上流領域にあるSNPsがMYHの転写活性に対する影響を調べるために、SNPのそれぞれのalleleを持った配列が入っているreporter plasmidを作製し、それぞれ大腸癌cell line HCTll6にtransfectionし、一・日後、Dual luciferase reporter assayで転写活性を調べた。その結果、転写開始点上流700bpまでの配列を入れたreporter plasmidが、からベクターと比べ、高い転写活性を示した。この結果から、この領域がMYHのpromoterを含めていることが示唆された。さらに前にコンピューターソフトで変異alleleが、核内受容体PXR/RXRと結合することが予測され、それが転写活性への影響を調べるために、PXRとRXRの発現ベクターを作製し、それぞれのreporter plasmidとともにHCTll6にtransfectionし、転写活性を確認した。CT116は内源性RXRの発現が強いため、PXRのみでpositive controlの転写活性が上がったので、実際のdataはPXR発現ベクターとそれぞれのalleleをもつreporter plasmidをco-transfectionした細胞から計算した。その結果、変異alleleをもつ方が野生alleleをもつreporterplasmidより、PXRをco-transfectionしさらにPXRのリガンドも入れることによって転写活性が高いことが分った。このPXR遺伝子は細胞内の生物活性物質(薬など)の代謝に関わる遺伝子cytochromes P450(CYPs)のリガンド依存的転写因子で、大腸での発現も確認されている。今までのdataから、MYHのpromoter領域にあるSNPが大腸癌との関連を九州大腸癌ケース/コントロール研究で見い出した。そのSNPによって、PXRとそのリガンドが存在する条件で、MYHの転写が誘導されることが示唆された。しかし、今までMYHのpromoter領域に関する情報が無く、この発現の上昇はMYHのミトコンドリアと核内のゲノムに対する修復能にどう影響しているかはこれからの課題である。
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