2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的損傷修複遺伝子MYHの消化管癌への関与についての研究
Project/Area Number |
17790258
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
陶 弘 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 特任研究員 (90397399)
|
Keywords | MYH / 大腸癌 / 塩基除去修復 / 酸化ストレス / 消化管癌 / 分子疫学 / 遣伝子多型 / ハプロタイプ |
Research Abstract |
MYH遺伝子の転写開始点上流領域に新規SNP-280G>Aの機能解析を行って、PXRとそのリガンドによる転写促進の解析に再現性がなかったため、このSNPによるPXR誘導の転写変化は見られなかった。さらに、酸化ストレスが存在する場合そのSNPによるMYHの転写促進あるいは抑制を調べるために、3種類の酸化ストレス誘導剤glucose oxidase, menadioneとH_2O_2をそれぞれ細胞にかけてのリポーターアッセーを行った。その結果、いずれもSNP-280G>Aによる転写変化を認められなかった。 いままで4つMYH遺伝子のSNPsのtyping結果、IVS1+11C>Tの大腸癌との関連が統計学的に有意であった。さらに、発生部位別での調整で、遠位大腸に関してORは1.58になったが、P値は0.058であった。4つのSNPによって頻度が1%以上のhaplotypeが5つ構築された。IVS1+11Tのalleleを有したhaplotype(IVS1+11T-IVS6+35G-IVS10-2A-972C)のcrude ORは1.43、adjusted ORは1.56、さらに発生部位別で調整し、遠位大腸に関してORは1.81であった。いずれも、P値が0.05以下であった。 以上の結果から、本研究は初めて日本人をベースにした研究でMYHのSNPやハプロタイプの散発性大腸癌との相関が示唆された。また、以前の論文で見っかったIVS10-2G alleleがリスクalleleと予想されたが、今回の解析では、P値が有意ではないが、大腸癌riskと逆相関の傾向があった。核酸除去修復遺伝子XRCC1のArg194Trp多型も似たような現象が見られ、それと同じメカニズムの可能性があるかどうか、更なる機能解析が必要である。
|
-
[Journal Article] Association between genetic polymorphisms of the base excision repair gene MUTYH and increased colorectal cancer risk in a Japanese population2008
Author(s)
Tao H, Shinmura K, Suzuki M, Kono S, Mibu R, Tanaka M, Kakeji Y, Maehara Y, Okamura T, Ikejiri K, Futami K, Yasunami Y, Maekawa T, Takenaka K, Ichimiya H, Imaizumi N, Sugimura H.
-
Journal Title
Cancer Science Volume 99 Number 2
Pages: 355-360
Peer Reviewed