2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫エフェクター細胞と樹状細胞との相互作用による獲得免疫応答の制御機構
Project/Area Number |
17790263
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊豫田 智典 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (60359784)
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Keywords | α-GalCer / NKT細胞 / 投与量 / IL-2 / 抗原提示細胞 / Th1応答 |
Research Abstract |
これまでの研究から、α-GalCer投与後のNKT細胞の2次刺激に対する応答性は初回投与量の影響を受けることが明らかである。そこで、高用量投与がNKT細胞の不応答を誘導するメカニズム、低容量投与がα-GalCerをアジュバントとして用いて抗原特異的T細胞応答を誘導する上での効果について解析することを目的に以下の実験を行った。 1.高用量投与によりNKT細胞のIL-2、IL-15受容体の発現低下が観察された。とりわけIL-2受容体のαサブユニットの発現低下が顕著であり、in vitroにおける再刺激時にIL-2添加により不応答から回復することや受容体特異的抗体による活性化阻害効果からIL-2がNKT細胞の応答により重要であることが明らかとなった。また、IL-2受容体の発現低下は低用量投与では認められなかった。 2.NKT細胞への抗原提示能を脾臓においてCD1d高発現細胞についてin vitroで比較した結果、樹状細胞(以下DC)が最も優れており、DCサブセット間では大きな差はなかった。in vivoに投与した場合、高用量では脾臓辺縁帯B細胞も抗原を提示するが、低用量ではDCのみが提示した。また、α-GalCer投与はDCの活性化を誘導することが知られているが、低用量では2回目の投与後でもIL-12の産生が認められた。 3.低用量による前処理は再刺激時により多くのIFN-γ産生を誘導する。そこで、α-GalCer前処理と初回投与においてOVAを抗原として添加し、CD4 T細胞応答をin vitroで比較したところ前処理により強いTh1タイプの応答が誘導された。 以上の結果より、低用量のα-GalCerはNKT細胞のIFN-γ産生を増加させ、DCのIL-12産生を維持することで、Th1タイプの免疫応答を誘導すると考えられる。今後、CTLの誘導や抗腫瘍免疫に関して検討する予定である。
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Research Products
(2 results)