2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫エフェクター細胞と樹状細胞との相互作用による獲得免疫応答の制御機構
Project/Area Number |
17790263
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊豫田 智典 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (60359784)
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Keywords | NKT細胞 / α-GalCer / anergy / 樹状細胞 / TCR / 共刺激分子 / in vivo / in vitro |
Research Abstract |
これまでの研究より高用量(5μg)のα-GC投与がNKT細胞の不応答を誘導することは明らかであったが、その誘導機序に関しては詳細な研究はなされていなかった。そこで、NKT細胞が不応答に陥るメカニズムをT細胞におけるアネルギーの誘導と対比して実験を行った。 まず、α-GCの提示を行う細胞をCD1dの発現量で推定すると、DCおよびB細胞が候補として挙げられたが、in vitroでのα-GC提示能はDCの方が著明に高かった。そして、in vivoにα-GCを投与した際にもB細胞に提示は認められるものの、DCが主要な抗原提示細胞であることが確認された。脾臓におけるDCの抗原提示の場を組織切片により検討した結果、NKT細胞とDCの相互作用は主に辺縁帯や赤脾髄で起こることが明らかとなった。 この結果から、NKT細胞はDCによる抗原提示を受けて不応答に陥ると考えられた。しかし、T細胞におけるアネルギーが共刺激を伴わないTCR刺激により誘導されることを考慮すると、生体内に別のCD1d高発現細胞が存在し、NKT細胞の不応答を誘導している可能性もある。そこで、脾臓から精製したDCにα-GCをin vitroでパルスして投与した。NKT細胞の不応答はα-GCをパルスしたDCの投与によっても誘導され、同様にBMから誘導した成熟DCによるα-GCの提示でもNKT細胞は不応答になった。 これらの結果から、NKT細胞はT細胞と異なり、強いTCR刺激を受けると共刺激の存在に関わらず不応答に陥ると考えられた。そこで、in vitroにてNKT細胞をCD28刺激存在下で様々な濃度のα-GC/CD1d複合体で刺激したところ、in vivoと同様に刺激の強度に伴なってNKT細胞の応答性の低下が認められた。さらに、CD28刺激の強度をあげてもNKT細胞の応答性の低下は回避することは出来なかった。 以上の結果より、NKT細胞の不応答の誘導機構はT細胞と異なり、TCR刺激強度に依存していること、共刺激シグナルはNKT細胞の初期応答の増強には働くものの不応答の回避には関与しないことが明らかとなった。
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