2006 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモンによるオステオプロテゲリン(OPG)遺伝子発現調節機構
Project/Area Number |
17790266
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 武史 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20335441)
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Keywords | OPG / Dexamethasone / AP-1 / transrepression / c-Jun |
Research Abstract |
破骨細胞の分化には、正に制御するRANKLと負に制御するオステオプロテゲリンOsteoprotegerin(OPG)の二つの因子が重要であり、この二つの因子のreciprocalな調節が重要と考えられている。種々のステロイドホルモンはRANKLを正にOPGを負に制御することが知られているが、今年度は昨年度に引き続き、デキサメサゾン(Dex)がOPG転写調節に及ぼす影響を主に検討した。マウスOPG遺伝子プロモータにはAP-1配列が存在し、ST2細胞では主としてc-Jun homodimerが結合し定常状態での転写活性維持に重要であることを報告してきたが、プロモータ内のAP-1に変異を導入すると定常状態での転写活性の低下と共にDexによる抑制効果も消失することから、DexによるOPGの転写抑制は主としてAP-1を介するtransrepressionであることが推定された。Dex処理後のST2細胞におけるMAPキナーゼ系のリン酸化カスケードの解析によりリン酸化c-Jun蛋白量の減少がこのtransrepressionに関与しているという結果を得た。一方、活性型ビタミンD_3のAP-1に対するtransrepressionはJun-N terminal kinase(JNK)非依存性であることが判明した。Dexと活1生型ビタミンD_3は相乗的にOPGを抑制するが、その一つの機構がJNK経路にあることが推定された。また、Runx2欠損マウス由来のC6細胞を用いた実験及びRunx2 siRNAを用いた実験からはDexのOPG抑制機構にはRunx2はあまり関与しないことが推定された。 なお、本研究成果の一端を内外の学会において発表した。成果は現在骨代謝学の専門誌に投稿中である。
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Research Products
(5 results)