2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍発生時におけるミクログリアを中心とする脳内免疫機構の解析
Project/Area Number |
17790270
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
新井 義文 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助手 (30381784)
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Keywords | 脳腫瘍 / ミクログリア / toll-like receptors / 神経細胞培養 |
Research Abstract |
1.脳腫瘍組織内のミクログリアおよびtoll-like receptors(TLRs)の同定 原発性脳腫瘍自験例(総計108症例)について、ミクログリアを認識する抗体3種類(Iba1抗体(WAKO)、CD68抗体(DAKO)、HLA-DR抗体(NOVOCASTRA))を用い、免疫組織化学的にミクログリアを同定した。もっとも高感度に陽性が得られたのはCD68抗体であり、浸潤性に発育する悪性度の高い腫瘍で多数の陽性細胞が観察される傾向があった。しかし、浸潤性発育の目立つ症例では脳組織の破壊を伴っていることが推測され、陽性細胞がミクログリア由来なのか末梢血単核球由来なのか断定は困難であった。HLA-DR抗体ではCD68抗体ほど陽性率は高くないものの、同様に悪性度の高い腫瘍では陽性率が高い傾向を示した。Iba1抗体は検出率が低く、抗体クローンの再検討が必要と考えられた。パラフィン固定標本を用いたTLRsの免疫染色は非特異的な染色結果しか得られず、今後マウスを用いた脳腫瘍化学発癌モデルあるいは脳腫瘍移植モデルの凍結標本でその発現を検討する。 2.Ethylnitrosourea(ENU)を用いた脳腫瘍化学発癌モデル ENUを用いた脳腫瘍化学発癌モデル(Carcinogenesis,1990;11:1313-22)に従い、C57BL/6妊娠マウス腹腔内にENUを投与し、出生マウス個体内の脳腫瘍形成を待っている状況である。順次脳を取り出し腫瘍の組織型の確認と腫瘍細胞の株化を試みる。 3.In vitro細胞培養系におけるミクログリアの形態変化と抗腫瘍効果 新生児マウスの脳組織から初代神経細胞培養を行い、そこからミクログリア細胞を取り出して培養を試みた。ミクログリアの形態変化や抗腫瘍効果を腫瘍細胞との混合培養で解析する。
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