2005 Fiscal Year Annual Research Report
石灰小体はエキノコックスの発育にどのように係わるのか?
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17790275
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
長内 理大 弘前大学, 医学部, 助手 (30361009)
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Keywords | エキノコックス / 石灰小体 / カルシウム |
Research Abstract |
本年度は主に、エキノコックスの石灰小体にはどのようなたんぱく質が存在するか、について研究を行った。具体的には、まず、入手できるエキノコックスの材料が限られているためいかに効率よく石灰小体のみを調製するかについて検討した。その結果、従来用いられている密度勾配遠心では回収率が低く単純に簡易沈殿により5〜10回洗浄する方が純度の高い石灰小体を得られることがわかった(顕微鏡観察)。次に、石灰小体から効率よくたんぱく質を抽出する方法を検討した。その結果、トリクロロ酢酸によって石灰小体を溶かすと同時にたんぱく質を抽出、変性させ沈殿として回収しそのままSDS電気泳動(SDS-PAGE)を行う方法が次にアミノ酸配列解析を行うことを考えると最も効率よくかつたんぱく質の性質による偏向がなく抽出できた。その後SDS-PAGEを行い、16kDa、10kDa、8kDaのたんぱく質が特に高い割合で石灰小体に含まれていることがわかった。次に、これらのたんぱく質についてゲル内トリプシン消化後内部アミノ酸配列の解析を行った。現在までに、16kDaのたんぱく質については12アミノ酸、10kDaたんぱく質については10アミノ酸の配列が明らかになり、これらの配列をデータベースで検索したが相当するたんぱく質はなく、新規のたんぱく質である可能性が示唆された。現在、これらの配列を元にcDNAのクローニングを行っている。これらのたんぱく質が明らかになれば石灰小体においてどのような機能をしているか、さらには石灰小体全体の機能についても多くの知見が得られると期待される。
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