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2006 Fiscal Year Annual Research Report

北米に侵入したデング熱媒介蚊であるヒトスジシマカの日本由来説の集団遺伝学的検証

Research Project

Project/Area Number 17790278
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

大塚 靖  大分大学, 医学部, 助手 (00244161)

Keywordsヒトスジシマカ / ミトコンドリア / 集団
Research Abstract

デング熱などを媒介するヒトスジシマカは元来アジアに生息していたが,1980年代以降北米など世界各地にその分布を広げている.中古タイヤについた卵により侵入したと考えられている北米のヒトスジシマカは生理的な違いや中古タイヤの輸入量などから日本由来と考えられている.しかし,その遺伝的裏付けは今のところはっきりしていない.ヒトスジシマカの世界的分布を遺伝的に調べるため,前年度はその手がかりとして日本国内集団での違いをミトコンドリア遺伝子配列によって調べた.その結果,それまではヒトスジシマカは近年世界的に広がったため種内変異が少ないと考えられていたが,日本国内にもある程度変異が存在することがわかった.今年度はさらにタイ・インドネシアの集団のミトコンドリア遺伝子配列を調べた.タイ・インドネシアのヒトスジシマカは日本の沖縄や西南日本に分布するタイプであり,主に日本に分布するタイプとは異なっていた.さらにアメリカの個体も調べた結果,アメリカの個体はインドネシア・タイに分布しない主に日本に分布するタイプであった.日本以外の集団については集団数・個体数が十分ではないものの,この結果は北米のヒトスジシマカが日本由来説を肯定するものであった.今後は東南アジアや近年分布を広げている南半球やヨーロッパなどの地域の集団を調べ,北米の日本由来説を遺伝的に確かめ,他の地域についてもどの程度が日本由来なのかを検討する必要がある.また,国内のヒトスジシマカの分布についても沖縄や西南日本に分布するタイプが東南アジアと共通なことから,それらのタイプが日本に入った後現在主に広がっているタイプに変異したと思われる.今後は国内の集団の遺伝的違いと寒耐性や休眠などの生理的違いの関係を検討すべきである.

  • Research Products

    (2 results)

All 2006

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] A new spesies of Simulium (Boreosimulium) from Hokkaido, Japan (Diptera : Simuliidae)2006

    • Author(s)
      高岡 宏行
    • Journal Title

      Medical Entomology and Zoology 57・1

      Pages: 35-43

  • [Journal Article] Morphology and electrophoretic protein profiles of female salivary glands in four-Oriental black fly species (Diptera : Simuliidae)2006

    • Author(s)
      Wej Choochote
    • Journal Title

      Journal of Vector Ecology 31・2

      Pages: 406-411

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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