2005 Fiscal Year Annual Research Report
小形条虫虫卵に対する再感染防御に関与する細胞と分子の同定とその機能解析
Project/Area Number |
17790280
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大西 弘太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40366208)
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Keywords | 小形条虫 / 感染防御 / 粘膜免疫 / 感染症 / 寄生虫 / 免疫学 / 消化管 |
Research Abstract |
小形条虫(H.nana)の感染時の腸管における防御発現を小腸組織から明らかにした。 1.虫体の動態と宿主の応答の評価 初感染後と再感染後とに経時的にマウスから腸管を採取し、組織標本を作製した。 それらの標本にH-E染色を行い、虫体の形態変化や絨毛内に侵入した虫体数を評価した。再感染数時間後での組織標本では再感染虫体は全くと言っていいほど検出されなかった。このことより、再感染時の腸管における防御が小腸粘膜面での虫体侵入阻止によるという結果を得た。 虫体周囲の浸潤細胞の同定を行った。初感染24時間後では好中球を初めとした自然免疫担当細胞が虫体周囲に認められた。現在、それ以降での虫体周囲の細胞の同定を行っている。一方で、マウス腸管組織および細胞の変化なども評価中である。 2.感染成立の定量化 初感染後のマウス小腸粘膜からH.nana genomic DNAを抽出し、H.nana ribosomal DNAをプライマーとしたPCR法を行った。しかし、マウス由来のgenomic DNAにより反応が阻害され、特異的なバンドは検出できなかった。 また、H.nana蛋白を初感染後と再感染後との同粘膜から抽出し、抗H.nana抗体を用いたELISAを行った。しかし、マウス由来の蛋白などに比べ、絶対量が少なく、検出できなかった。これには、腸管粘液などによる反応阻害も考えられる。 現在、組織に侵入した虫体数の定量化を行うため、H.nana虫卵に対するポリクローナル抗体をラットで作製し、それを用いて免疫組織染色を行っている。
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