2005 Fiscal Year Annual Research Report
宿主細胞の違いによるオリエンチア・ツツガムシの遺伝子発現パターンの変化
Project/Area Number |
17790288
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中山 恵介 宮崎大学, 医学部, 助手 (10347057)
|
Keywords | 細菌 / 遺伝子発現 / リアルタイム定量PCR / 偏性細胞内寄生菌 / リケッチア科細菌 |
Research Abstract |
リアルタイム定量RT-PCR法を用いて昆虫由来細胞と哺乳動物由来細胞内におけるオリエンチア遺伝子の発現パターンを解析し、ダニ細胞中における共生や、哺乳動物に対する病原性の発揮に関わっている遺伝子の検索を行うのが本研究の目的である。本年度はマウスL細胞(繊維芽細胞由来)を用いて、培養条件の検討とリアルタイムRT-PCR法による定量系の確立を目指した実験を行った。 オリエンチアの増殖速度は用いる培養細胞の増殖の程度に大きく依存することが明らかとなったため、より継代数の少ないL細胞を取得後、培養条件の再検討を行った。現在、培養至適条件を確立し、MOIを1〜0.1の間で振りながらmRNAの取得を行っている。なおオリエンチア菌体を培養液中に90分以上静置すると感染性が著しく低下する事実が明らかとなり、菌体数を計測する間の感染効率の低下にどう対処するか、検討中である。 オリエンチア属細菌と近縁菌種であるリケッチア属細菌との詳細なゲノム比較から、発現解析を行う86遺伝子を選択し、TaqMan probeを作製した。その中から、確実に発現していると考えられるDnaA遺伝子等を取り上げ、核酸の調整・検出・定量化の各条件を最適化している。定量化の為のコントロールにはオリエンチアの16S rRNA遺伝子を用いているが、オリエンチア接種時のMOIの制御を、もう少し高い精度で行う必要があることが明らかとなっている。 定量RT-PCR法が本菌においても良好に機能することが確認できたため、IV型分泌装置のエフェクター蛋白質をコードする遺伝子や、Pickettsiaceae科細菌の中でオリエンチアが特異的に有する遺伝子を中心に新たに50遺伝子についてprobeを追加作製した。 今後、昆虫由来細胞におけるオリエンチア培養至適条件を確立した後、これらのprobeを用いた発現比較解析を行っていく予定である。
|
-
[Journal Article] Complexity of the genomic diversity of enterohaemorrhagic Escherichia coli O157 revealed by the combinational use of the O157 Sakai oligo DNA microarray and the Whole Genome PCR Scanning.2006
Author(s)
Y.Ogura, K.Kurokawa, T.Ooka, K.Tashiro, T.Tobe, M.Ohnishi, K.Nakayama, T.Morimoto, J.Teragima, H.Watanabe, S.Kuhara, T.Hayashi
-
Journal Title
-
-