2006 Fiscal Year Annual Research Report
宿主細胞の違いによるオリエンチア・ツツガムシの遺伝子発現パターンの変化
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17790288
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中山 恵介 宮崎大学, 医学部, 助手 (10347057)
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Keywords | 細菌 / 遺伝子発現 / リアルタイム定量PCR / 偏性細胞内寄生菌 / リケッチア科細菌 |
Research Abstract |
これまでに、(1)IV型分泌装置構成蛋白質とそのエフェクター候補蛋白質をコードする遺伝子群から37遺伝子、(2)各代謝経路・生体内プロセスに関わる必須遺伝子群から76遺伝子、(3)宿主との相互作用に関与する可能性が高い遺伝子群から10遺伝子等、計153遺伝子を選択し、TaqManプローブとプライマーセットの設計と合成を完了した。さらに、マウスL929細胞と蚊AeAl2細胞を宿主細胞に用いたオリエンチアの培養系を確立し、この系を用いて培養した感染細胞を経時的に回収、RNA抽出と逆転写反応によるcDNAの合成、これを鋳型としたリアルタイムRT-PCRによる遺伝子発現解析系をdnaA・gyrA・gyrB・glyA・rpoD等のハウスキーピング遺伝子を用いて最適化した。遺伝子発現量を標準化するための内部コントロール遺伝子としては16SrRNAを用いている。現在、マウスL細胞を用いて各オリエンチア遺伝子発現量を順次解析しているが、発現量の極めて少ない遺伝子を除き安定した発現パターン解析結果を取得しており、信頼できる発現解析系が確立できたと考えている。 問題として残っているのはRNAの回収方法によって生じる遺伝子発現パターンの差異である。簡易精製したオリエンチアから抽出したRNAを用いても、簡易精製を行わずオリエンチアの感染を受けている宿主細胞ごと抽出を行ったRNAを用いても、理論的には内部コントロール遺伝子を用いて標準化した遺伝子発現パターンには差が生じないはずだが、両者を比較してみると無視できない違いが認められる。宿主細胞ごと抽出を行ったRNAを用いた解析結果の方が自然な発現パターンを示していると考えられるが、他菌種においては簡易精製を行った後に発現パターン解析を行うのが一般的になっており、どちらを選択するべきか難しい状況になっている。
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[Journal Article] Complexity of the genomic diversity of enterohaemorrhagic Escherichia coli O157 revealed by the combinational use of the O157 Sakai oligo DNA microarray and the Whole Genome PCR Scanning.2006
Author(s)
Y.Ogura, K.Kurokawa, T.Ooka, K.Tashiro, T.Tobe, M.Ohnishi, K.Nakayama, T.Morimoto, J.Terajima, H.Watanabe, S.Kuhara, T.Hayashi
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Journal Title