2005 Fiscal Year Annual Research Report
志賀毒素産生性大腸菌の防御抗原:LEE遺伝子群にコードされない接着因子の研究
Project/Area Number |
17790289
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
TOMA Claudia 琉球大学, 大学院医学研究科, 助手 (40325832)
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Keywords | 大腸菌 / 接着因子 / 志賀毒素 / LEE / Long polar fimbriae / 下痢原性大腸菌 / phylogenetic group / PCR |
Research Abstract |
我々は、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O157:H7の一つの特徴はO-islands141(OI-141)及びOI-154に特異的なlong polar fimbrie (LPF) gene cluster (LPF_<O157/OI-141>,LPF_<O157/OI-154>)を持つことであると報告した。LPFはO157:H7では上皮細胞への接着に関与していると報告されており、現在注目されているSTEC接着因子の一つである。その他にSTECにはO113:H21株で同定されたLPF_<O113>と、我々がO26:H11株で同定したLPF_<O26>がある。平成17年度の目的は、これら4種類のLPFがSTECに特有なものであるかを解明することである。 各LPFの分布は、下痢原性大腸菌97株を4種類のLPFに対するプライマーを用いたPCRで調べた。lpfA_<O113>の陽性率は、EAECでは65%、EIECでは20%、EPECでは43%、ETECでは52%であった。lpfA_<O26>の陽性率はEAECでは3%、EIECでは0%、EPECでは27%、ETECでは16%であった。lpfA_<O157/OI-141>の陽性株はEPECで2株、ETECで1株であった。lpfA_<O157/OI-141>陽性のEPECはlpfA_<O157/OI-154>も陽性であった。STEC-LPFが他のカテゴリーにも存在したことから次にstandard E. coli collection of reference (ECOR)の株における分布を調べた。その結果、検査した71株中31株がいずれかのLPFが陽性であった。 以上より、LPFはSTEC以外の下痢原性大腸菌及び非病原性大腸菌にも存在することが明らかになった。また、LPFの存在とその種類はphylogenetic groupと関連していると示唆された。
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Research Products
(2 results)