2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガラクトサミンを用いたエンドトキシンショック低感受性マウスの解析
Project/Area Number |
17790293
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小出 直樹 愛知医科大学, 医学部, 講師 (50308962)
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Keywords | エンドトキシンショック / リポ多糖(LPS) / ガラクトサミン(D-GalN) / TNF-alpha / IFN-gamma / Fas / NTK cell |
Research Abstract |
ガラクトサミン(D-GalN)とリポ多糖(LPS)を用いたエンドトキシンモデルは、劇症肝炎モデルとしても、実験的に確立されており、エンドトキシンショック(E-S)のメカニズムを検討するのに、頻用されている。NC/ngaマウス(NC)は、アトピー性皮膚炎の自然発症モデルとして知られており、主に皮膚科領域でアトピーのメカニズムの検索に使われている。今回、D-GalNとLPSをNCに投与したところ、全てのマウスが生存し、E-Sに耐性が見られた。そこで、このメカニズムについて、調べた。D-GalNとLPS投与で認められる肝臓の傷害が、controlのBalb/cマウス(Balb)に比べ、有意に少なく、肝細胞のアポトーシスも少なかった。また、Caspase3、8の活性化も明らかに、低かった。D-GalNとLPS投与による実験モデルでは、TNF-α (TNF)とIFN-γ (IFN)が重要な役割を果たすことが知られている。そこで、D-GalNとLPSを投与し、TNFとIFNを調べたところ、TNFの産生は両者に差はなかったが、IFNの産生はNCで低いことがわかった。D-GalNとLPSによるE-SはD-GalNとTNFを使っても同様の反応が見られることが知られている。そこで、D-GalNとTNFをNCに投与したところ、D-GalNとLPS投与と同様に、肝臓の傷害が有意に少なかった。このことは、何らかの理由で、NCがTNFによる細胞傷害を受けにくいことが考えられる。TNFとほぼ同様の肝傷害のモデルとして、抗Fas抗体(Jo2)の投与がある。NCにJo2の投与をしたところ、Balb同様の致死反応、肝傷害がみられた。このことは、Fasに対する反応がNCで正常に働くことを示している。FasとTNFへの反応では、一部を除いて、ほとんどが共通のシグナルを使うので、両者で異なる部分が何らかの理由でD-GalNとTNFによる反応をNCが受けにくくなっていると考えられる。今後、このメカニズムについて検討を進める予定である。これと平行し、新たなE-Sモデルを検討したところ、LPSとガラクトシルセラミドの投与により、肺を中心に傷害が起きるより臨床に近い実験モデルを見いだした。
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Research Products
(1 results)