2005 Fiscal Year Annual Research Report
TLRシグナルを活性化するマイコプラズマニューモニエ由来新規リポタンパク質の解析
Project/Area Number |
17790295
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
清水 隆 久留米大学, 医学部, 助手 (40320155)
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Keywords | マイコプラズマ / Toll-like Receptor / リポプロテイン / 肺炎 / 自然免疫 |
Research Abstract |
マイコプラズマ肺炎はMycoplasma pneumoniaeによって引き起こされる過度の免疫反応が主な病原因子であると考えられているが、そのような免疫反応を誘導する因子はまだ見つかっていない。本研究ではM.pneumoniaeから免疫反応を誘導する物質を初めて分離し、Toll-like receptor (TLR)との関連を調べた。 M.pneumoniaeのlipid associated membrane proteins (LAMPs)はTX-114で抽出した。免疫反応の誘導能はNF-kB結合領域の下流にluciferaseをつなげたレポーターベクターを用いて測定した。TLRの関与はTLRおよびドミナントネガティブ(DN)TLRを293T細胞に発現させ検討した。 THP-1細胞をLAMPsで刺激すると、NF-kBの誘導能はLAMPs依存的に増強した。このNF-kBの誘導は抗TLR2抗体により阻害された。293T細胞にTLR2を発現させLAMPsで刺激すると、NF-κBの誘導能は増強した。LAMPsをHPLCおよびSDS PAGEで精製した結果、21-kDaタンパク質にNF-κBの誘導活性が見られた。マス解析の結果、このタンパク質はsubunit b of F_0F_1-type ATPase (F_0F_1-ATPase)で、アシル基を2つ持つリポタンパク質である事が推測された。DN TLRを用いた実験より、F_0F_1-ATPaseはTLR 1、2、6依存的にNF-κBを誘導することが明らかとなった。またlipoprotein lipase処理により活性はアシル基に依存していることが示唆された。 これらの結果はJournal of Immunology V175,4641-6にまとめて発表した。 またマイコプズマ肺炎に対するワクチン開発の組成物として特許を出願した。
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