2006 Fiscal Year Annual Research Report
TLRシグナルを活性化するマイコプラズマニューモニエ由来新規リポタンパク質の解析
Project/Area Number |
17790295
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
清水 隆 久留米大学, 医学部, 助手 (40320155)
|
Keywords | マイコプラズマ / Toll-like Receptor / リポプロテイン / 肺炎 / 自然免疫 |
Research Abstract |
マイコプラズマ肺炎はMycoplasma pneumonjaeによって引き起こされる過度の免疫反応が主な病原因子であると考えられているが、そのような免疫反応を誘導する因子はまだ見つかっていない。本研究ではM. pneumoniaeから免疫反応を誘導する物質を初めて分離し、 Toll-like receptor(TLR)との関連を調べた。 昨年度の研究により、われわれはM. pneumoniae由来subunit b of F_0F_1-type ATPase (F_0F_1-ATPase)が免疫反応を誘導することを見出した。F_0F_1-ATPaseはジアシルリポプロテインで、TLR1、2、6依存的に免疫反応を誘導した。ところが、M. pneumoniaeの菌体で誘導される免疫反応はTLR6には部分的に依存しているに留まった。このことからM. pneumoniaeの菌体にはTLR6に非依存的に免疫反応を誘導する因子が存在することが考えられた。今年度はM. pneumoniaeからTLR6非依存的に免疫反応を誘導する因子を同定した。 M. pneumoniaeのlipid associated membrane proteins (LIWPs)はTX-114で抽出した。免疫反応の誘導能はNF-κB結合領域の下流にluciferaseをつなげたレポーターベクターを用いて測定した。TLRの関与はTLRおよびドミナントネガティブ(DN)TLRを2937細胞に発現させ検討した。 THP-1細胞をLIWPsで刺激すると、NF-κBの誘導能はLAMPs依存的に増強した。LIWPsをHPLCおよびSDSPAGEで精製した結果、37kDa及び6kDaタンパク質がTLR6非依存的、TLRI、2依存的にNF-κBを誘導した。マス解析の結果、これらのタンパク質は未知の物で、それぞれNF-κB activating lipoprotein (N-ALP)1、N-ALP2と名づけた。合成ペプチドを用い実験から、これらのタンパク質はアシル基を3つ持つトリアシルリポプロテインであることが推測された。またlipoprotein lipase処理により活性はアシル基に依存していることが示唆された。 これらの結果はIumunologyに投稿し、受理されている。またマイコプズマ肺炎に対するワクチン開発の組成物として特許を出願した。
|