2005 Fiscal Year Annual Research Report
CD69分子をターゲットにしたアレルギー性疾患制御に関する研究
Project/Area Number |
17790318
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長谷川 明洋 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80376376)
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Keywords | アレルギー・喘急 / 細胞・組織 / 生体分子 / 免疫学 |
Research Abstract |
1.気道炎症部位でのCD69分子の発現細胞の解析:マウスでのアレルギー性喘息モデルとして、卵白アルブミン(OVA)で2回免疫した後、OVAを吸入させて気道炎症を誘導する系を用いた。気道炎症誘導後、気管支および肺の組織切片を作製し、抗CD69抗体を用いて免疫染色を行ったところ、T細胞をはじめとする浸潤炎症細胞全般でCD69分子の発現がみられた。 2.正常マウスからの細胞移入実験:気道炎症部位に浸潤する細胞群のうち、どのような細胞上に発現するCD69分子が喘息の発症に重要であるか調べるために、正常マウスからの細胞を移入し喘息を誘導して症状を比較した。正常マウスからT細胞やB細胞、好中球、マクロファージなどを個別に単離し、各細胞群をそれぞれCD69ノックアウトマウスに静注した後、喘息を誘導した。その結果、正常マウスのT細胞を移入すると、CD69ノックアウトマウスでの喘息発症の抑制が解除され、肺胞洗浄液中の好酸球数が増加し、気道過敏症が悪化した。また、組織染色を行ったところ、炎症細胞の浸潤や気管支粘膜における粘液分泌が亢進していた。よって、T細胞上のCD69分子が喘息の発症に重要な役割をしていることが明らかとなった。 3.soluble CD69分子や抗CD69抗体によるアレルギー性喘息の抑制機能の検討:新規のアレルギー性喘息の治療に向けた試みとして、CD69の細胞外部分をヒトIgGのH鎖C領域と結合させたsoluble CD69分子を作製した。また抗CD69抗体を用いて喘息抑制効果を確認した後、効果的な投与時期を検討した。その結果、OVA免疫前に投与した場合、OVA免疫後に投与した場合とも有意な抑制効果がみられた。
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