2005 Fiscal Year Annual Research Report
介護サービスにおける質改善と組織的ストレスマネージメント
Project/Area Number |
17790346
|
Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
徳永 淳也 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教授 (30343370)
|
Keywords | バーンアウト / 質改善活動 / 職務満足 |
Research Abstract |
本研究では、介護福祉関連施設における質改善に対する認識や実際の活動が、職員のバーンアウト防止抑制等をはじめとするストレスマネージメント策になり得るかを検証する目的で調査を行った。先行研究レビューや我々の病院医療における研究実績を踏まえて質問項目を再整理し調査に使用したが、特に、質改善の認識や活動についての評価尺度としては、MB (Malcolm Baldridge)国家経営品質賞の審査カテゴリーをもとに、当該分野に適合するよう4領域(リーダーシップ、質改善の作戦・計画、人的資源の活用、サービスの受け手の満足)についてあらたに質問バッテリーを再構成して研究に用いた。さらに、バーンアウト測定尺度はMBI (Maslach's Burnout Inventory)、職務満足度については病院医療および訪問看護サービスの職務満足度把握のために開発した質問紙を一部改変して使用した。調査では対象となる介護・福祉関連63施設を対象として、QC活動をはじめとする質改善活動実施状況やISO9000シリーズ取得の有無等について予備調査を行った。調査結果を基に選定した施設内の全職員1371名を対象とした質問紙検証のための調査を行い488名から回答がよせられた。(回収率35.6%)。各指標を構成する領域内のCronbachのα係数は概ね0.7以上であり、特に質改善活動認識の評価尺度では、0.88以上と高い内部一貫性が示された。相関分析では、先行研究で予見されているバーンアウトと職務満足の負の関連もみられ、本質問紙の対象領域における外部妥当性の一端が示唆された。それらに加えて、本研究であらたに設定した質改善活動の認識の全領域とバーンアウト尺度の全領域との間に極めて有意な相関関係が確認され、当該領域施設における質改善活動がストレスマネージメント策として極めて有効である可能性が示唆された。
|