2005 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生ペプチドSVVYGLR改変による創薬とドラッグデリバリーシステムへの応用
Project/Area Number |
17790349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 吉之輔 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10362683)
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Keywords | ペプチド / 血管新生 / オステオポンチン / DDS |
Research Abstract |
キーとなる最小アミノ酸単位の特定から実験を始めた。SVVYGLRの構造のどのアミノ酸が血管新生に効いているのか、という点である。そこでSVVYGLR配列内のアミノ酸残基の一つをアラニン残基に置換して合成した7種類のミュータントペプチドのAla-Scan assayを行った。SVVYGLR配列内のアミノ酸残基をアラニン残基に置換して合成した7種類のミュータントペプチドの内、4番目のチロシン残基をアラニン残基に置換したペプチドにおいてのみ、血管新生作用が全く認められなかったことより、4番目のチロシン残基が重要となっていることが解った。そこでこのSVVYGLRをビルディングユニットとしてコンビナトリアルケミカルライブラリー構築することによりさらなるアミノ酸誘導体をデザインできるであろう。また、チロシン残基が重要になっていることからSVVYGLRのうち、少なくともN末端とC末端は、血管新生作用にとって重要ではないことが明らかになった。よって血管新生作用を損なうことなく、SVVYGLRのN末端またはC末端を、キャリアタンパク質との結合部位として利用することが可能となり幅広い応用が期待できる。 このSVVYGLRペプチドは、その血管新生能から人工臓器の移植時や虚血生心疾患などの多くの医療分野において有効に利用できる可能性を秘めている。さらには、このペプチドの機能を阻害させるデザインを構築することにより、新たな抗癌剤の開発や軟骨再生治療にも有効となりうると考える。
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