2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病における免疫反応関連因子AIF-1,Resistinに関する病態学的研究
Project/Area Number |
17790360
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
藤波 綾 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (30299086)
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Keywords | AIF-1 / resistin / 糖尿病 / 脂肪組織 / 肥満 / ELISA |
Research Abstract |
Allograft inflammatory factor(AIF)-1は1995年に複数のグループから発表され,Interferon-γで誘導され,分子内にCa結合EFハンドをもつタンパク質で,HLAクラスIIIにコードされ,IBA1やMRF-1,daintainとも呼ばれ,単核球に発現している因子である.また糖尿病を発症したラットの膵島にはAIF-1を発現した多量のマクロファージが集積していることが知られている.一方、resistinは2001年にSteppanらによって発見されたシステインに富んだ分泌タンパク質であり、肥満と糖尿病を結びつける脂肪組織由来のホルモンとして報告された。しかし、マウスでは脂肪組織がresistinの主な源であるが、ヒトでは主に単核球において分泌や発現がみられることから、げっ歯類とヒトではresistinの役割が異なることが考えられる。実際、ヒトでは単球で炎症性サイトカインによりその分泌が亢進することが知られている。我々は糖尿病におけるこれら2つの因子の病態学的意義の解明を目的として、今年度はAIF-1とresistinのELISA法による測定法の確立を試みた。AIF-1に関しては抗体の作製が終了し、ELISA法による測定法を確立中である。一方、resistinに関しては、マウスおよびヒトのresistinに対するELISA法による測定法の開発に成功し、本法を用いて、マウス血清、マウス脂肪組織、ヒト血清中のresistinを測定した。マウスでは肥満モデルマウスにおいて、コントロールマウスと比較して血清中、脂肪組織中ともにresistinは低値を示したが、ヒトではBMIと血清中resistinの間に弱いながらも正の相関があった。
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