2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウスにおける高炭水化物食の肥満および代謝症候群に及ぼす影響
Project/Area Number |
17790367
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
山崎 雅之 島根大学, 医学部, 助手 (60379683)
|
Keywords | 肥満 / メタボリックシンドローム / 糖尿病 / 炭水化物 / 脂質新生(de novo llipogenesis) / 脂肪肝 / 高中性脂肪血症 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
近年、日本では、肥満、メタボリックシンドローム、2型糖尿病が増加しており、動脈硬化性疾患の急増が危惧されている。我々は、これら日本人の肥満関連疾患の増加の原因として、高炭水化物食が影響を及ぼしている可能性を示唆してきた。そこで、マウスを用い、高炭水化物食が肥満、メタボリックシンドロームに及ぼす影響の解明を目的とした。 8週齢のICRマウスのオスに高炭水化物食と対照食を2週間、4週間投与した。体重に関して、投与2週間では、高炭水化物食投与群は対照食投与群に対して有意な体重の増加は認められなかったが、投与16日目以降では、有意な体重の増加を示した。投与4週間では、対照食群に対して、高炭水化物食投与群は、12%体重が多かった。肝臓、副睾丸脂肪組織の重量も有意に増加していた。血液生化学検査でも、中性脂肪、遊離脂肪酸、総コレステロールが有意に高値、HDLコレステロールが有意に低値であった。高炭水化物食で体重、肝臓、副睾丸脂肪組織に有意な増加がみられたため、肝臓での脂質新生(de novo llipogenesis)を明らかにするため、肝臓での脂質合成関連遺伝子の発現量を比較解析した。脂肪酸合成酵素の中心的役割であるFASが有意な差は認められなかったものの、高炭水化物食投与群は明らかに高値であった。脂肪酸合成の初期に働くACCは、有意に高値であった。中性脂肪合成遺伝子であるSCD1は、4週間投与後では有意に高値であった。解糖系酵素であるPKFは、2週間、4週間投与後ともに有意な差はなかった。コレステロール合成遺伝子であるHmgrは、有意に高値であった。 以上のように、同じ摂取熱量でも、高炭水化物食を摂取したマウスは、4週間という比較的短期間に肥満を発症し、肝臓での脂質新生が盛んに行われていることが明らかとなった。今後は、脂肪組織なども含め、肥満発症のメカニズムを検討する必要がある。
|
Research Products
(1 results)