2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790372
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
工藤 雄一朗 北里大学, 医学部, 助手 (60348505)
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Keywords | ロックウール / 鼻部吸入曝露実験 / 肺内滞留性 / 肺磁界測定法 / 緩和 / クリアランス |
Research Abstract |
本年度は、日本製ロックウール1種類についてラットを用いて鼻部吸入曝露実験を実施し、ロックウールの肺内滞留性を評価した。実験は雄Fischer344ラットを1回の実験につき12匹用い合計2回実験した(合計24匹)。曝露濃度(標準偏差)は長径(L)>20μmで104.4(31.9)fiber/cm3で1日6時間、5日連続曝露した。曝露後終了直後、1週後、2週後、4週後に1回の実験につき3匹ずつ解剖し、肺を摘出し、肺内繊維数(総繊維数、長径別繊維サイズ(L≦5、5<L≦20、L>20、WHO繊維)および肺内繊維サイズ(長径・短径)を走査型電子顕微鏡を用いて計測した。肺内繊維数は曝露終了直後に比べて4週後で減少し、特にL>20で顕著に減少した。また、半減期はL>20で28日であった。先行研究では、石綿のL>20の半減期は986日であった。肺内繊維サイズは、曝露終了直後に比べて4週後で減少した。以上の結果から、ロックウールは石綿に比べ肺内滞留性が低いことが示唆された。また、肺内滞留性の新しい評価法として肺磁界測定法を開発中である。ラットをジエチルエーテルで吸入麻酔し、磁界測定の指標となる磁性粒子(四三酸化鉄)を3mg気管内注入した。その後ペントバルビタールにて腹腔内麻酔し、肺磁界測定装置に固定し、外部より磁場をかけ、肺から生じる残留磁界を40分間測定し、緩和の程度(肺胞マクロファージの障害性)を評価した。また、外部磁化直後の値を投与直後、3日後、6日後に計測し、肺内に存在する四三酸化鉄の量の推移(クリアランス)を観察した。緩和は磁化直後から減少した。また四三酸化鉄の量は観察期間を経るに従い、減少した。これらのことから四三酸化鉄は肺胞マクロファージに貪食され、消化され、減少したことが示唆された。次年度は残り2種類のロックウールの肺内滞留性および肺磁界測定によるロックウールのクリアランスを評価する。
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Research Products
(2 results)