2006 Fiscal Year Annual Research Report
血漿中遊離DNA量の定量に基づくがんスクリーニング法の確立
Project/Area Number |
17790379
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
松尾 恵太郎 愛知県がんセンター(研究所), 疫学予防部, 主任研究員 (80393122)
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Keywords | 遊離DNA / 血漿中 / がん / スクリーニング |
Research Abstract |
(背景)血漿中遊離DNA定量によるがんスクリーニング法を開発することを目的にし、1.Real-time PCR法によるDNA量定量法の確立、2.症例対照サンプル測定による横断的比較研究を実施した。 (方法・結果) 1.Real-time (RT) PCR法によるDNA量定量は、Applied Biosystems (AB社) RT PCR Fast7500を用いた。AB社のRNAaseP gene測定キットを用い、検量線法による抽出試料中のコピー数を定量する系を確立した。テスト用サンプルを用い、DNAの抽出方法による差を最小化するため、Qiagen社BIO-Robo EZ1を用いた機械抽出法と、Qiagen社Blood Mini Kitを用いた抽出法の双方を比較した末、最終的に後者を用いた抽出法を用いた方が安定した結果が得られた。1検体あたりの複数回測定に関する検討の結果3回測定よりも6回測定の方が安定した結果が得られた。 2.1により確立した定量測定法に基づき、乳がん症例(147名)と性・年齢適合対照(147名)の比較を検討を行った。臨床病期情報を元に早期がん患者を中心とした選択を行った。測定は、対象者の担がん状況を検査者にマスクした形で実施した。対照群では、年齢が高くなるほど遊離DNA量が高い傾向を有意ではないが認めた。この傾向は、症例群では顕著ではなかった。症例群において、進行度と遊離DNA量との間に有意な差は認めなかった。症例群と対照群の遊離DNA量の比較においては、若干症例群が対照群よりも高い値を示したが、統計学的に有意な差は認められなかった。 (考察)血漿中遊離DNA量定量によるがんスクリーニングの可能性に関して検討をしたが、実用に耐えうる性能ではなかった。測定法の検出感度の向上等により、一定の改善は見込める余地は残るが、他の簡便なスクリーニング法を凌駕する、といえる証拠は得られなかった。
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Research Products
(1 results)