2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤師の薬物乱用・依存に対する認識と薬局における一般用医薬品の販売実態について
Project/Area Number |
17790398
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
嶋根 卓也 国立精神・神経センター, 精神保健研究所薬物依存研究部, 協力研究員 (20399455)
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Keywords | 薬物乱用・依存 / 医薬品の適正使用 / 一般用医薬品 / 薬剤師 / 防犯対策 / 鎮咳薬 / 薬局 / 総合感冒薬 |
Research Abstract |
【目的】薬局薬剤師を対象に、一般用医薬品の販売実態調査を実施した。本調査では、薬物乱用の対象となっている一般用医薬品として、エフェドリン類やコデイン類を含有する鎮咳薬や総合感冒薬(以下、対象医薬品)と定義した。 【対象・方法】某県薬剤師会および某県学校薬剤師会が主催する薬物乱用防止活動の講習会に参加した薬剤師461名(女性59.1%、平均年齢54.3歳、実務経験平均26.2年、学校薬剤師84.4%)を対象に、無記名自記式の質問紙調査を実施した。調査期間は、平成18年7〜9月であった。 【結果】対象医薬品を取り扱っている薬剤師は336名(76.4%)であった。これらの対象医薬品の陳列・販売方法は、約7割ではOTC販売が徹底されていたものの、セルフ方式だけで販売しているケースが1割以上にみられた。対象医薬品を取り扱っている薬剤師のうち70名(約20%)は、これまでに対象医薬品の大量購入(本研究では、同一の医薬品を3箱以上と定義)を顧客から要求された経験があり、このうち31名(42.5%)は『顧客の要求に応じ、販売した』と回答している。一方、対象医薬品を取り扱っている薬剤師のうち19名(5.5%)は『万引きされた経験』があり、17名(5.3%)は『大量販売している薬局・薬店を知っている』と回答した。実践されている防犯対策としては、販売個数の制限(19.7%)、空箱を陳列(13.7%)、防犯カメラの設置(12.4%)が挙げられた。 【結論】明らかにされた対象医薬品の販売実態を踏まえると、薬物乱用防止に関わりが深いと思われる学校薬剤師であっても、一般用医薬品の薬物乱用に対する認識は十分とは言えない状況にある。薬物乱用防止の観点から、エフェドリン類やコデイン類を含有する鎮咳薬や総合感冒薬については、OTC販売を徹底するよう薬局薬剤師に理解を求めていく必要があるだろう。
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