2005 Fiscal Year Annual Research Report
萎縮性胃炎保有者におけるビタミンC介入と炎症・酸化ストレスの指標との関連
Project/Area Number |
17790400
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
笹月 静 国立がんセンター(研究所及び東病院臨床開発センター), 研究員 (50392337)
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Keywords | ビタミンC / 酸化ストレス / 炎症 / 無作為割付比較試験 |
Research Abstract |
1.萎縮性胃炎保有者におけるビタミンCと酸化ストレスおよび炎症マーカーとの関連について (1)酸化ストレスのマーカー 酸化型および還元型CoQ-10の比を酸化ストレスの指標として、ビタミンC介入との関連を検討した。現在測定は進行中であり、今年度は全体の約3分の1にあたる低用量・高用量群それぞれ40名についての基礎的解析を行った。その結果、低用量群で酸化型CoQ-10の割合がベースライン時は9.5%であったのが5年間のビタミンC服用後には13.2%となり、3.63%上昇したのに対し、高用量群では1.87%の上昇にとどまっていることが分かった。この差は群間で有意なものではなかった(p=0.51)が、ビタミンCの服用により酸化ストレスが抑制される可能性が示された。現在残りのサンプルについて測定中であり、今後も分析を進めて全対象者についての解析が必要である。 (2)炎症マーカー 現在CoQ-10の測定が進行中であるため、炎症マーカーについては前年度に測定したCRPおよび酸化ストレスのマーカーであるTotal-ROSについて解析を行い、論文投稿、学会発表した。ビタミンCはCRPで示される炎症に対しては影響しないが、酸化ストレスは抑制することが示唆された。 2.疾病確認アンケート 対象者の疾病発生状況を把握する目的で過去の疾病罹患や手術歴に関する疾病確認アンケートを行った。調査は郵送にておこない、返信がない方には3回まで繰り返し行ったところ、対象者のうち山内村在住の方では85%(1975名中1676名)、本研究開始前のパイロット研究の対象者では90%(52名中47名)と、非常に高い回答率を得た。今後はこれにより得られる自己申告の疾病罹患と研究開始時点より収集している疾病登録の情報とをつき合わせて整合性などを検討する予定である。
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