2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯根象芽質のアスパラギン酸ラセミ化・微量元素および第三大臼歯による年齢推定
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17790405
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
ARANY Szilvia 秋田大学, ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 中核的研究機関研究員 (80375229)
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Keywords | 歯学 / 社会医学 / 生体分子 / 分析化学 / 老化 |
Research Abstract |
科学的に年齢を推定する方法として歯に含まれるアミノ酸の加齢変化に着目した。歯に含まれるD-アスパラギン酸(D-Asp)含有量は加齢と共に増加することが知られており、内部標準による歯根象牙質のアスパラギン酸ラセミ化率を正確に測定する方法を開発した。L-Aspの値を求め、D-Asp比値ラセミ化率と年齢との関連性を検索した。我々は同一個人から種々の異なった歯のエナメル質に存在するD-アスパラギン酸をアスパラギン酸のラセミ化率として測定した。それぞれの特定の歯におけるラセミ化率と歯の形成時期との相関性を測定し、さらにラセミ化率を年齢推定に応用した。その結果、もし歯の環境状態が同じであるなら、ラセミ化率は最も早い期間に形成を完了した歯が最も高いことが分かった。エナメル質におけるラセミ化率は同一個人でも歯の種類によりその程度には差が見られた。エナメル質におけるラセミ化率は切歯より大臼歯により高いことが判明した。そして必ずしも歯形成時期と一致しない傾向を示した。また、大臼歯が存在する場所が口腔内の深奥部に位置するため温度がより高かったという事実のためであるように思われた。そしてD/L比率は象牙質よりエナメル質の方がより低かった原因は、エナメル質の方が象牙質より呼気により温度の影響を受けていたことによると考えられた。すべての異なった歯からエナメル質と象牙質を一緒に混ぜて測定するよりもエナメル質だけを用いた方がよりよい年齢推定ができた。
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Research Products
(3 results)