2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790409
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
猩々 英紀 佐賀大学, 医学部, 助手 (60284626)
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Keywords | 頭部外傷 / DNAマイクロアレイ / 脳損傷 / 受傷応答メカニズム |
Research Abstract |
頭部外傷は神経細胞変性や細胞死を引き起こし、神経機能の低下及び脳の機構の破綻を招来する。従って、頭部外傷によって引き起こされる受傷応答メカニズムの特徴をプロファイルすることは重要である。現在までに我々は脳損傷モデル動物の組織学的検討において、損傷脳ではアポトーシスが引き起こされている事を報告した。アポトーシスは脳損傷48時間後に一過性の増大を示し、その後減少していた。本研究では、DNAマイクロアレイ法を用いて頭部外傷がアポトーシスに関与する遺伝子に及ぼす影響を検討した。 Wistar系雄ラット(8週齢、約300g)に損傷作製装置Fluid Percussion Deviceを装着後、側方打撃による脳損傷モデル群とコントロール群を作製した。打撃強度は3.5atmとし、脳損傷後3、6、12及び48時間に脳を摘出した。その後、打撃部直下の大脳皮質からmRNAを精製し、米国Affymetrix社製GeneChip Rat Genome 230を用いてDNAマイクロアレイ解析を行った。米国Affymetrix社のアノテーション情報から、アポトーシスに関与する遺伝子のプローブ740個の結果を抽出し、脳損傷モデル群とコントロール群の遺伝子の発現の差異を比較検討した。 その結果、各脳損傷モデル群において全ての脳試料で発現が変動していた遺伝子の数は76個であった。それらの遺伝子において頭部外傷後3、6、12及び48時間に発現の増加を示していた遺伝子の数はそれぞれ23、46、36及び11個であった。一方、頭部外傷後3、6、12及び48時間に発現の減少を示していた遺伝子の数はそれぞれ0、6、7及び5個であった。現在、頭部外傷によって発現が変動する遺伝子の経時的変化について詳細な検討を行っている。
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Research Products
(2 results)