2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17790414
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
水上 創 東京医科大学, 医学部, 講師 (50384938)
|
Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 社会医学 / 循環器・高血圧 / 病理学 |
Research Abstract |
平成17年度は検体の収集を中心とした。遺族より同意が得られた心臓性突然死49例および対照の非心臓性突然死23例が収集された。研究実施予定期間では最終的に心臓性突然死群および対照群各200検体程度の頚部リンパ節の収集を目標とし、現在、凍結リンパ節約800検体程度を収集しており、随時、遺族に研究趣旨説明文書を発送、同意の得られた検体を解析する段階にある。解析は上記の2群ついて、心筋梗塞、高血圧性臓器障害との関連が指摘されているアンギオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子のintron 16の287塩基対の挿入/欠失(I/D)多型および冠動脈疾患との関連が報告されている血管内皮一酸化窒素合成酵素(eNOS)遺伝子の5'-franking regionのT^<786>C (T/C)およびexon 7のGlu298Asp (G/T)多型を行った。行政剖検時採取した頸部リンパ節よりDNAを抽出し、ACE遺伝子のI/D多型はPCR増幅により、eNOS遺伝子はPCR-RFLP法を用い、T/CおよびG/T多型は各々変異部位を含む236bp、457bpをPCR増幅後、Nae IおよびBan IIのdigestにより判定した。ACE遺伝子I/D多型は心臓死群ではIIが25例、IDが17例、DDが7例、対照群ではIIが10例、IDが12例、DDが1例であった。eNOS遺伝子T/C多型は心臓死群ではTTが37例、TCが12例、CCが0例であり、対照群ではTTが17例、TCが6例、CCが0例、G/T多型は心臓死群ではGGが46例、GTが3例、TTが0例であり、対照群ではGGが22例、GTが1例、TTが0例であった。ACE遺伝子多型は心臓性突然死群でDアリルが多く見られ、心臓死との関連の可能性を示唆するものであった。しかし、eNOS遺伝子の2多型は有意な差は得られなかった。今後は検体を増やすとともに、解析する遺伝子領域を増やし、心臓死の内容の詳細についても検討予定である。
|