2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規1型糖尿病におけるケトアシドーシス治療中の肝障害についての研究(全国調査)
Project/Area Number |
17790426
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
小林 浩子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 助教 (70307495)
|
Keywords | 1型糖尿病 / ケトアシドーシス / 肝障害 |
Research Abstract |
糖尿病性ケトーシスまたはケトアシドーシスで発症した劇症1型糖尿病例53名とその対象として年齢と性別をマッチさせた非劇症1型糖尿病55名での肝障害についての分析を行った。インスリン治療開始後5日から15日前後でASTおよびALTの一過性の上昇を認め、1か月以内に自然に改善する症例を劇症1型糖尿病では53名中32名(60.4%)、非劇症1型糖尿病では55名中16名(29.1%)に認めた。前者では肝障害が高頻度に出現し、またその程度がより顕著であった。 肝障害を有する症例は劇症1型糖尿病では治療開始時に高血糖(p<0.005)、高中性脂肪血症(p<0.01)を認めた。非劇症1型糖尿病ではHbAlc高値(p<0.05)、高中性脂肪血症(p<0.05)、インスリン使用量が多かった(p<0.05)。また前者では22.6%、後者では24.4%にエコーまたはCT上で脂肪肝を合併していた。脂肪肝を有する症例では65%で肝酵素が上昇し、AST/ALTはケトアシドーシス発症時には1.01、10から30日後には0-73とALTがより明らかに上昇する傾向にあった。また、インスリン使用量が有意に多く、治療開始前の中性脂肪が高い傾向にあった。 インスリン枯渇状態では血中の中性脂肪が高値となり、インスリン治療にてSREBP-1cが刺激され、肝臓内で脂肪酸合成が促進するために、新規発症1型糖尿病において脂肪肝による肝障害が生じることが推察された
|
Research Products
(2 results)