2005 Fiscal Year Annual Research Report
Super-p53を用いた新しいがん遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
17790432
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角道 祐一 東北大学, 病院, 医員 (10396484)
|
Keywords | 癌 / 遺伝子 / p53 / アポトーシス |
Research Abstract |
1、報告者の研究室では既に、出芽酵母のアッセイ系において、全2314種類を網羅したp53ミスセンス変異体ライブラリーを構築し、これらの全てについて8種類の標的遺伝子に対する転写活性化能を検討した(Proc Natl Acad Sci USA, 100:8424-8429)。この結果をもとに、転写活性化能に多様性を示す変異体群(635種類)をSuper-p53候補として抽出し、この中から無作為にヒト型p53発現プラスミドを作成した(179種類)。これらを、p53欠失ヒト腫瘍細胞株であるSaos-2にリポフェクションで導入し、フローサイトメーターを用いてアポトーシス誘導能を調べた。その結果、H214Q、K291E、K292T、Q144R、R290G、I162M、K291T、S121A、S121C、F212Y、E221Q、K291Q、S121Y、R156C、S215C、K292I、P153H(17種類)が、Super-p53として新たに見つかった。 2、17種類のSuper-P53は、アデノウイルスベクターに組み込んだ。アデノウイルスベクターをSaos-2のみならず複数のヒト腫瘍細胞株(SF125、U2OS、DLD-1)に導入し、フローサイトメーターを用いてアポトーシス誘導能を評価した。この結果、H214Q、K291E、R290G、I162M、K291T、S121C、F212Y、E221Q、K291Q、S121Y(10種類)がいずれの細胞株においても強いアポトーシス誘導能を示し、既にSuper-p53として報告されているS121Fと同等であることが明らかとなった。さらに、それぞれの変異体でアポトーシス誘導のタイミングが異なることも判明した。
|