2006 Fiscal Year Annual Research Report
CD4T細胞を利用した肝癌排除(テーラーメード治療をめざして)
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17790448
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉本 和史 三重大学, 医学部附属病院, 診療等従事者 (60378370)
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Keywords | 肝癌 / CTL / HCV |
Research Abstract |
本年度は以下の研究成果を得た。 (1)HCVに対するCTLクローンの樹立 HCVのNS3領域に対するCTLクローンを樹立した。このCTLはHLA-B56特異的であることを確認した。また、エピトープを同定し確認した。このCTLを用いて、細胞障害機序とくにTNFファミリーサイトカインの関与のさらなる研究を進めている。また、肝癌特異的CTLのクローンを樹立すべく、現在研究中である。 (2)肝癌患者における血清中免疫関連蛋白の解析 肝癌における生体の免疫反応蛋白の解析を質量分析計にて解析した。この結果、癌に体する特異的な免疫関連蛋白発現プロファイルを確認した。それぞれの蛋白の意義について解析中である。特に、幹細胞のリクルートに関与しているSDF-1を検討した。肝細胞が障害されると、造血幹細胞から肝細胞への分化が進み、障害の進行に伴いSDF-1αが増加する血小板数とは負の相関、AST、アルブミンの各値とは正の相関がみられた。SDF-1αが肝疾患の進展に密接に関与していると考えられた。肝細胞癌の発癌との関連も示唆された。 (3)末梢血リンパ球サブセットの解析 健常人と比較しC型慢性肝炎患者では末梢血中のB細胞(CD19陽性細胞)の増加を認めたがインターフェロン治療中にはB細胞数は健常人程度まで低下を認めた。CD5陽性B細胞も同様にC型慢性肝炎患者、肝癌患者では増加傾向を示した。CD5陽性B細胞におけるCD81MFIも同様の傾向を示した。また、トランスアミナーゼ正常なHCV陽性患者においても末梢血中のB細胞の増加を認めた。肝癌患者での特異的リンパ球サブセットを同定中である。
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