2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いたオステオアクチビンの肝発癌・線維化に及ぼす影響の解析
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17790456
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
蓮池 悟 宮崎大学, 医学部, 助手 (50381067)
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Keywords | オステオアクチビン / 肝線維化 / 肝発癌 / マイクロアレイ解析 |
Research Abstract |
肝線維化に関与する可能性の高い新規遺伝子=rat osteoactivin(OA)を同定し,機能解析を開始した.肝炎進展に及ぼす影響を明らかにするためにhuman serum amyloid protein promoterの下流にOA cDNAを挿入したプラスミドを作製し,肝臓特異的にOAを発現するトランスジェニック(TG)ラットを作製した. コリン欠乏アミノ酸置換(CDAA)食をTGラットに12週間投与すると,OA強発現により肝線維化の抑制が認められた.肝組織の線維化面積,肝組織ハイドロキシプロリン含有量ともにTGラットで低い値が得られた.また,生化学的検査では血中ALT値(TG>wild),LDH値(TG>wild),中性脂肪値(TG>wild),総コレステロール値(TG>Wild)に有意差を認めた. また前癌病変であるGST-P陽性結節の比較を行った.陽性結節はコントロール群で多い傾向にあったが,明らかな有意差は無かった.結節の面積はコントロール群と比較してTG群で有意に小さかった. CDAA食投与12週目の肝組織のマイクロアレイ解析により,コントロールラットに比較してOA-TGラットで発現が有意に抑制されていた遺伝子として,PDGFR, MMP関連遺伝子が抽出された.これらの遺伝子は肝線維化に関与することが報告されており,まずこれらの遺伝子発現についてRT-PCRやノーザンブロット法を用いて再確認中である. CDAA食投与1週目の肝組織のマイクロアレイ解析では現在のところ有意な所見を見出せていないが,生化学的検査では血中グルコース値(TG<Wild),中性脂肪値(TG>Wild)に有意差を認めた.また,同検体にて肝組織の中性脂肪含有量には有意差を認めなかった. CDAA食投与6ヵ月目の肝組織標本でも線維化面積はTGラットで小さかった.
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