2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクターピロリ除菌後発生胃がんのスナネズミモデルでの経時的検討
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17790475
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
溝下 勤 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 臨床研修医 (40347414)
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Keywords | 胃がん / スナネズミ / Helicobacter pylori / 形質発現 / 除菌 / 内分泌細胞 / 胃腸混合型 / クロモグラニンA |
Research Abstract |
我々は,ヒト類似の胃病変を呈するHelicobacter pylon (Hp)感染スナネズミモテルにて 1.Hp除菌後発生スナネズミ腺胃がんの形質発現 2.Hp感染後のChromogranin A (CgA), Gastrin, Gastric lnhibitory Polypeptide (GIP)発現の経時的変化 以上を検索した。 1.Hp除菌後発生スナネズミ腺胃がんの形質発現 N-methyl-N-nitrosourea (MNU)投与Hp感染+Hp除菌群(n=26)で発生した腺胃がんにつき胃型・腸型の形質発現を検討した。胃がん26例は,胃型14例,胃腸混合型10例,腸型2例に分類された。すでに我々が報告しているMNU単独投与群(n=6),MNU投与+Hp感染群(n=50)のデータと比較して(Mizoshita, T., et al. Cancer Sci. 97:38-44, 2006.).除菌により腸型形質胃癌の低下傾向が見られた。 2.Hp感染後のCgA, Gastrin, GIP発現の経時的変化 Hp感染スナネズミ腺胃粘膜でのCgA, Gastrin, GIPの発現をreal-time RT-PCRあるいは免疫染色にてHp感染後50,75,100週で評価した。Hp感染スナネズミ腺胃でのCgA, Gastrinは,Hp非感染群と比較して,実験開始後50週で著明な増加を示し、その後75〜100週となるに従って減少した。GIPは、実験開始後50〜75〜100週となるに従って増加した。 以上より,スナネズミモデルにてHp感染・Hp除菌による胃型・腸型形質発現の変化をがん部非がん部で検索することは胃病変の発生を解明する上で重要であると考えられた。
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