2005 Fiscal Year Annual Research Report
世界初のフリーラジカル二次元可視化技術を用いた動脈硬化の病態形成機序の解明
Project/Area Number |
17790490
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井手 友美 九州大学, 大学院医学研究院, 研究員 (90380625)
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Keywords | 活性酵素 / ミトコンドリア / 動脈硬化 / 心筋リモデリング / フリーラジカル / 老化 |
Research Abstract |
In vivo ESRの妥当性の評価として、心筋梗塞後の心不全モデルマウスにおいて検討した。試験管内にフェントン反応によって活性酸素を産生させ、in vivo ESRに用いるプローブである膜透過性の高いmethoxy-PROXYLを投与すると、過酸化水素の濃度依存性にESRのシグナル強度が減衰することが明らかとなった。そこで、麻酔下にmethoxy-PROXYLをマウス尾静脈より投与すると、心筋梗塞マウスの心臓において、sham手術群より早いシグナル減衰が認められ、この作用は、活性酸素消去剤であるtironやDMTUの同時投与によって完全に消去された。 TFAM過剰発現マウスにおいては、各臓器においてヒトTFAMが発現しており、特に心臓・平滑筋では、mtDNAコピー数の増加が認められた。さらに、TFAM過剰発現によって、心筋梗塞モデルの予後を著しく改善し、心筋リモデリングを抑制した。(Ikeuchi et al,Circulation 2005) また、赤血球中のSOD活性の、加齢による減少を抑制することも明らかとなった。以上のことから、ミトコンドリア由来の活性酸素を消去することにより、活性酸素産生に起因する種々の病態を改善する可能性が示唆された。 さらに、apoEノックアウトマウス(apoE-KO)とTFAM過剰発現マウス(TFAM-TG)の交配にも成功し、TFAM過剰発現の有無による動脈硬化の進展における違いを検討した。TFAM-TG x apo E KOマウスでは、WT-apo E KOマウスに比し、動脈硬化進展が抑制される傾向が認められた。
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