2005 Fiscal Year Annual Research Report
NRSF系を利用した骨髄細胞のペースメーカ細胞への分化誘導法の開発
Project/Area Number |
17790495
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
竹田 征治 奈良県立医科大学, 附属病院, 医員 (60398443)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / NRSF / ペースメーカ細胞 |
Research Abstract |
(1)研究目的: 主研究者らはNRSF/VP16をプラスミドによって遺伝子導入することでNRSFを抑制させ、ヒト骨髄間質細胞に脱メチル化剤を投与し、さらにマウス心筋と共培養することで心筋をペースメーカ細胞に特異的に分化させ、洞機能不全症候群の細胞移植による治療を目指す。 (2)ヒト骨髄間葉系幹細胞の調整 ヒト骨髄細胞を培養し、限外希釈法でクローニングを行った。その中でも増殖能力の高い細胞を骨髄間葉系間細胞として分離した。分離した細胞にBmi-1、TERT、E6、E7遺伝子を導入し、不死化を行った。分離した細胞の多分化能を調べるために脂肪細胞、骨、軟骨細胞への分化を確認したが、3系統ともに分化誘導に成功した。また、40経代を経過した細胞においても3系統の分化を認め、細胞分裂後も多分化能を維持し続けることが確認された。分離した細胞に対してFACSを施行し、CD29陽性、CD34陰性、CD44陽性、CD90陽性、CD117陰性、Flk-1陰性であり、従来の骨髄間葉系細胞に一致する所見であった。 (3)細胞の分化誘導 クローニングで得た細胞に脱メチル化剤を投与し、さらにマウス心筋細胞と培養した。3日後には拍動する心筋細胞を認め、心筋電極にて心筋活動電位を測定したところ比較的心房筋に近い電位を有する細胞が得られた。また、共培養を継続するにつれて、成熟心筋細胞の特徴を有する活動電位に変化し、培養の比較的初期の細胞がペースメーカ細胞に分化する可能性を有すると考えられた。 さらに、NRSF/VP16遺伝子を骨髄間質細胞に導入することでペースメーカ細胞に分化効率が上がるかどうか検討中である。 (4)NRSFノックアウトマウスの作成 NRSFをknock outしたマウスの骨髄細胞を用いてC57BL6マウスの心筋と共培養することでペースメーカ細胞への分化効率が上がるかどうか検討するためにNRSFノックアウトマウスを作成した。
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Research Products
(1 results)