2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄osteoblastic-zoneにおける多能性幹細胞の心筋分化の解析
Project/Area Number |
17790498
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
遠藤 仁 慶應義塾大学, 医学部, 嘱託(非常勤) (50398608)
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Keywords | 再生医学 / 循環器・高血圧 |
Research Abstract |
骨髄皮質のnicheから単離したBMECは、in vitroで特定の刺激により骨・脂肪・筋細胞といった間葉系細胞に分化する多能性を有する。BMECの生体内での役割・動態についてはまったく解析されておらず、当研究では主に傷害心筋におけるBMECの関与について中心に解析を行った。 GFPでlabelingしたBMECを致死量放射線照射したマウスの頸骨骨髄内に直接注入したGFP-BMEC骨髄移植マウスを作成し、そのマウスに開胸下で冠動脈を絞拡することで広範な心筋梗塞を作った。 心筋梗塞作成後、10日間GCSFを連日投与したところ、心臓超音波検査・カテーテル検査上、心機能の改善を認めた。引き続き免疫組織学的解析を行ったところ、心筋組織の間質にGFP陽性の線維芽細胞様の形態を呈した細胞を数多く認めることができた。BMECから明らかに心筋細胞に分化したと考えられるGFP陽性cardiac-actinin陽性の心筋細胞はごくわずかであるが認めることができた。 BMEC由来の心筋細胞の分化機構についてあきらかにするため、全身にCre蛋白を発現させた遺伝子改変マウスに、loxP-β geo-loxPEGFPのコンストラクトをもつ遺伝子改変マウスからBMECを採取し骨髄移植を行った。そして再度同様のプロトコールで心筋梗塞モデルマウスを作成し、免疫組織学的解析を梗塞心筋について行ったところ、細胞融合の機構で出現したと考えられるGFP陽性BMEC由来心筋をごくわずか認めることができたが、βgal陽性心筋細胞は同定できなかった。 このモデルではBMEC由来心筋細胞自体の数が必要充分ではなかったため、分化機構の評価は困難と考える』現在、BMEC採取・骨髄移植をより高率にできる条件や他の心筋障害モデル(心肥大、薬剤性心筋症)について再度検討を行っている。
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