2005 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉組織特異的血管内皮前駆細胞を用いた虚血性心疾患に対する治療法の開発
Project/Area Number |
17790503
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岩畔 英樹 東海大学, 医学部, 助手 (60366002)
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Keywords | 幹細胞 / 下肢虚血 / 血管内皮 / 筋肉組織 / 心筋虚血 |
Research Abstract |
近年発見・同定された筋肉組織特異的幹細胞(Sk34 cells)は骨格筋と血管系に分化可能な細胞である。これらの細胞をクローニングしてSingle cloneにおけるRT-PCRの結果、Cardiac actinが陰性であった為、重症虚血部位及び心筋への分化が期待出来ると考え、重症虚血モデルへの移植と心筋への分化誘導を試みた。 1)重症虚血部位への移植 GFPトランスジェニックマウスをドナーとし、免疫不全マウスを用いた下肢虚血モデルへの移植を行った所、移植部位におけるGFP陽性細胞を多数認める事が出来た。またこれらの部位では血管内皮マーカーの発現を認め、血流の改善も認められた。 2)心筋・血管への分化誘導 GFPトランスジェニックマウスをドナーとし、下肢の筋肉組織から酵素法で処理し摂取したSk34 cells幹細胞を血管内皮系細胞用液体培地による培養後、血管内皮系細胞標識マーカーによる蛍光免疫化学細胞染色及びFACSを用いて細胞形態の評価を行った所、血管系分化を示すマーカーの発現を認めた。しかし、その後この細胞を単独にて心筋系の培養条件下で培養を行った所、心筋への分化を認める事は出来なかった。この結果を考察すると単独培養よりも共培養下での誘導法の開発が必要であるかと考えられる。また、次年度のメインテーマである「虚血性心疾患への移植効果」の確立の為に行った免疫不全ラットへのin vivo実験において、心筋内でのドナー由来移植GFP陽性細胞を確認する事が出来た。これらの結果を踏まえ次年度は、Sk34 cells幹細胞を用いた共培養による心筋への分化誘導法の確立、及び、免疫不全ラットを用いた冠状動脈結紮心筋虚血モデルへのSk-34 cellsを直視下移植による治療効果の判定を行っていく。
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