2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞による心筋発生・分化機構の解明と再生療法の開発
Project/Area Number |
17790509
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 知之 久留米大学, 医学部, 助教授 (20332687)
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Keywords | ヒトES細胞 / 心筋発生・分化 / 再生療法 |
Research Abstract |
<研究の目的> ヒトES細胞は再生医療を担う移植細胞ソースの一つとして世界中で盛んに研究が行われている。しかしながら、マウスとヒトではES細胞、そのものの性質が異なるため、未だヒトES細胞からの心筋分化誘導法は確立されておらず、実際の再生医療に応用可能なヒトES細胞による効率良い心筋分化誘導法や分化誘導後、得られた心筋細胞の移植療法の確立が切望されている。本研究では申請者がマウスES細胞研究で培った技術・経験を基に、ヒトES細胞を用いた効率の良い心筋分化誘導法を開発するとともに、ヒトES細胞による心疾患への再生医療法の基盤を築く事を目的とする。 <研究実績の概要> 1)これまでに申請者らが、マウスES細胞研究において開発した共培養系を用いて、ヒトES細胞における、心筋分化誘導法を確立した。 2)1)の方法によって、分化誘導したヒトES細胞由来の心筋分化細胞を免疫組織学的に解析した結果、心筋分化関連転写因子であるMEF2や、心筋サルコメア構成蛋白のαMHC (myosin heavy chain)、α-アクチニンを発現する事が明らかとなった。 3)更に、定量的RT-PCR法によって、ヒトES細胞由来の単離心筋細胞の分子細胞生物学的な特性解析を行った結果、心筋分化転写因子のGATA-4や心筋サルコメア構成分子のαMHC、cTnT、MLC (myosin light chain)-2a、更には心筋分化マーカーのANPの発現が確認された。 *以上の結果から、マウスES細胞において開発した共培養法によって、ヒトES細胞の心筋分化誘導が可能であることが示された。
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Research Products
(10 results)