2005 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル制御因子Spred/Sproutyの血管リモデリングにおける機能解析
Project/Area Number |
17790511
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
森 隆宏 久留米大学, 医学部, 助手 (80389254)
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Keywords | 血管リモデリング / 内膜肥厚 / Raf / ERK / Spred / Sprouty |
Research Abstract |
Ras-Raf-MAPキナーゼ経路は細胞外刺激に応じて細胞増殖、細胞分化、細胞死を調節する中心的な細胞内シグナル伝達経路として理解されている。PDGF, Angiotensin II (AGII), VEGFやFGF2などの血管リモデリングの病態において重要な増殖因子はRas-Raf-MAPキナーゼ経路を活性化する。Sprouty/SpredファミリーはRafに会合しRas-Raf-MAPキナーゼ経路を特異的に負に制御する遺伝子である。本年度は、血管平滑筋細胞を増殖因子で刺激し、Sprouty/Spredファミリー遺伝子の誘導について検討した。また、cuff injury動脈硬化モデルを用いて、内膜肥厚血管における。Ras-Raf-MAPキナーゼの活性化とSprouty/Spredファミリー遺伝子の誘導について検討した。一方で、粥状動脈硬化モデルであるApoE欠損マウスとSpred1もしくはSprouty2欠損マウスの掛け合わせを行った。 (1)AGIIとVEGFは血管平滑筋におけるSprouty/Spred遺伝子を誘導する ラットの血管平滑筋をAGIIとVEGFで刺激し、Sprouty/Spred遺伝子の発現をRT-PCRで調べた。ファミリのなかで、Spred1, Sprouty2, Sprouty4がAGIIとVEGF刺激によって誘導された。血管内皮細胞HUVECでも同様の結果が得られた。 (2)内膜肥厚血管におけるSprouty/Spred遺伝子の発現 マウスの大腿動脈にcuff injuryを行い、1,2,3週間後に血管を回収しRNAを調整しSprouty/Spred遺伝子の発現をRT-PCRで調べた。injury1,2週間後にSpred1, Sprouty2, Sprouty4の発現を認めた。一方、同時期にERK1/2のリン酸化を認めた。 (3)ApoE・Spred/Sprouty欠損マウスの作製 ApoE欠損マウスとSpred1もしくはSprouty2欠損マウスの掛け合わせ開始し、ダブルノックアウトの完成が間近である。来年度はこれらのマウスを用いて動脈硬化進展におけるSpred/Sprouty遺伝子の役割について明らかにする。
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